「この資料、なおしといてや」と関西人の上司に言われたら真っ先に確認すべきことは?(写真はイメージです) Photo:PIXTA
関東と関西、東京と大阪で、職場の文化の違いに戸惑う人もいるだろう。特に注意したいのが、共通語とは全く意味が異なる関西弁だ。ビジネスシーンで注意すべき関西弁について解説しよう。(日本文章表現協会代表理事 西田延弘)
「この資料、なおしといてや」
大阪の人に言われたらどうする?
今では関西出身のお笑い芸人が全国ネットのテレビ番組に出るのは当たり前、軽妙な受け答えの漫才で人気を博している。そのせいか、関西人は「関西弁がどんな人にも通じる」と思い込んでいる節がある。出張や転勤で関西に来た標準語圏の人に対して、平気で関西弁で指示を出したりする。
例えば、こんなシーン。東京出身のAさんは重要な取引先との会合前、頑張って早めに資料を作り、関西人の上司にチェックをお願いした。すると、「この資料、なおしといてや」とひとこと。Aさんは何度も資料を見返しても、どこが間違っているのかわからない……。
仕方なくその上司にどこを直すべきかを尋ねると、「何言うとるねん。取引当日まで、なくさんようにしまっとけて言うたやろ」と言われてしまった。
そう、この場合の「なおす」は「修正する」ではなく、「しまう」という意味で使われていたのである。
厄介なのは、全く同じ文面の「なおしといてや」という言葉が、関西でも「修正する」という意味で使われることもあるということ。
「この資料、ここをなおしといてや」と言われた場合には修正を求められており、「この資料、ここになおしといてや」と言われた場合にはしまうことを求められている。「を」と「に」の違いだけだが、この場合の「を」は動作の対象を示す格助詞、「に」は動作の向かう場所を示す格助詞であり、文の意味は明らかに違ってくる。
「この資料、なおしといてや」と言われた場合は、助詞がないので判断がつかないだろう。その場合は、「修正するんですか、しまっておくんですか」と遠慮なく尋ねるといい。きっと、「あほやな、しまっとくんや」と軽口を叩きながら教えてくれることだろう。







