「つい声を荒げてしまい、後になって激しく自己嫌悪に陥る」――その原因は、性格ではなく、脳が乗っ取られていることにあるのかもしれない。米国在住の精神科医・久賀谷亮氏の著書『世界のエリートがやっている 最高の休息法[完全版]』には、怒りや衝動に対処する4ステップ「RAIN」も書かれている。その一部をご紹介しよう。(構成/小川晶子、ダイヤモンド社書籍編集局)
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なぜカッとなってしまうのか?
仕事で部下のミスに激怒してしまったり、家族の何気ない一言にイライラして声を荒げてしまったりする。そして後になって「なぜあんなに怒ってしまったのだろう」と激しい自己嫌悪に陥る。こうしたコントロールできない「怒り」は、実は性格の問題ではなく、脳の疲労やストレスから生じる「緊急モード」の反応であるらしい。
「扁桃体ハイジャック」から脳を守る
ベストセラーとなった『世界のエリートがやっている 最高の休息法[完全版]』では、怒りのメカニズムについて言及されている。
本書の物語の登場人物であるイェール大学教授の「ヨーダ」はこんなふうに説明する。
怒りはな、脳が自分を守るために発動させる『緊急モード』の一種じゃ(中略)扁桃体は外部から過度の刺激を受けると、脳全体を乗っ取って暴走をはじめる。扁桃体ハイジャックなどとも呼ばれるが、じつはこれが怒りの正体じゃ。扁桃体が暴走すると、アドレナリンが分泌されて脳の思考活動が抑制されるので、前後の見境がなくなったりもする。――『世界のエリートがやっている 最高の休息法[完全版]』p.194
私たちの脳には、感情や本能を司る「扁桃体」と、理性を司る「前頭葉」がある。通常は前頭葉が扁桃体の暴走を抑えているが、強いストレスや疲労が溜まるとこのバランスが崩れ、扁桃体が脳を乗っ取ってしまうのだ。だからこそ、怒りを無理やり我慢しようとするのではなく、マインドフルネスによって前頭葉と扁桃体が対等な関係でバランスを取り合う脳構造を作っていくことが重要になる。
怒りや衝動に対処する4つのステップ「RAIN」
怒りが湧き上がってきたときに、それを鎮めるための具体的なメソッドとして、本書では「RAIN」という手法が紹介されている。RAINは次の4つの頭文字だ。
①怒りが起きていることを認識する(Recognize)
②怒りが起きているという事実を受け入れる(Accept)
③身体に何が起きているかを検証する(Investigate)
④怒りと自分を同一視せず、距離をとる(Non-Identification)
――『世界のエリートがやっている 最高の休息法[完全版]』p.165
まず、自分の中に怒りが起きていることに気づき(Recognize)、それを「仕方ない」とありのままに許容する(Accept)。次に、心拍の変化や身体の緊張など、身体に何が起きているのかを客観的に観察する(Investigate)。そして最後に、その怒りの感情を「自分そのもの」だと捉えるのではなく、「怒りがおさまるといいなあ」と他人事のように突き離して距離を置く(Non-Identification)。
なお、このRAINのステップは、怒りだけでなく「甘いものが食べたい」「タバコを吸いたい」といった衝動を抑えるのにも非常に有効だという。ついカッとなってしまう人、衝動を抑えたい人は、この4ステップを試してみてほしい。



