「効率よくこなしているつもりなのに、集中力がどんどん落ちている」――その原因は、脳が「自動操縦モード」に慣れきっていることにあるのかもしれない。米国在住の精神科医・久賀谷亮氏の著書『世界のエリートがやっている 最高の休息法[完全版]』には、日常の動作を脳の休息に変える「ムーブメント瞑想」も書かれている。その一部をご紹介しよう。(構成/小川晶子、ダイヤモンド社書籍編集局)
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ワースト1の行動は、ながら作業
スマートフォンでニュースを読みながら食事をとる。歩きながら仕事のメールを返す。
現代を生きる私たちは、複数のタスクを同時にこなす「ながら作業(マルチタスク)」が効率的だと信じ、日々せわしなく動いている。しかし、そうやって時間を有効に使っているつもりでも、実は脳の集中力を著しく低下させ、激しい疲労を引き起こしている可能性がある。
マルチタスクが脳の集中力を下げる
米国で精神科医として活躍する久賀谷亮氏は、著書『世界のエリートがやっている 最高の休息法[完全版]』の中で、現代人の行動習慣について警鐘を鳴らしている。
世界のトップエリートと言われるビジネスパーソンが、マインドフルネスに注目する理由のひとつは、膨大な仕事量を効率よくこなせる人間が、その反面で集中力を失いかねないからだ。本書の物語の登場人物であるイェール大学教授の「ヨーダ」は、主人公のナツに向かってこう言っている。
私たちは服を着たり歯を磨いたりするとき、目の前のことに注意を向けず、過去の失敗を悔やんだり未来の不安を考えたりしている。この「自動操縦」の状態こそが、脳のエネルギーを激しく浪費するデフォルト・モード・ネットワーク(DMN)を過剰に働かせてしまうのだ。
日常のあらゆる動きを瞑想に変える「ムーブメント瞑想」
この自動操縦から抜け出し、低下した集中力を取り戻すのに有効なのが、グーグルなどの世界的企業の研修でも取り入れられている「ムーブメント瞑想」だ。ムーブメント瞑想とは、自分の身体の動きに注意を向けて、いまここを意識する方法。代表的なものが「歩行瞑想」である。手や脚の筋肉の動き、足の裏が地面に接触する感覚に細かく注意を向けて歩く。「右」「左」「上げる」「下げる」と、自分の動きに心の中でラベリングすることで、より「いまここ」に意識を集中しやすくなる。
歩くこと以外にも、服を着るときや葉を磨くときなど、日常生活の中の「自動操縦」を意識しさえすればムーブメント瞑想はできる。もちろん、ムーブメント瞑想としてラジオ体操のような体操を取り入れるのもいいだろう。日常のあらゆる動作を「脳の休息」に変えることができるわけだ。忙しいビジネスパーソンこそ、1日のうちに数回、自動操縦を解除する意識を持ってみてはどうだろうか。



