ワインに興味を持ち始めたものの、種類が多すぎて何から手をつければいいかわからない…。レストランや居酒屋でずらりと並ぶボトルを前に、途方に暮れてしまった経験はないだろうか。実は、小難しい知識を詰め込む前に、もっと手軽で確実なステップがある。ワインの入門書であり教養書でもある『ワインの世界地図』著者の水上彩氏の知見をもとに、初心者がまずやるべき「たった1つの行動」を紹介する。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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ワイン選びの高い壁
「ワインを勉強したいけれど、難しそうで敷居が高い」。ワイン初心者が最初にぶつかるのが、この壁だ。
産地や格付け、難解な専門用語が並ぶラベルを前に、自分の好みがわからないまま、なんとなく勘を頼りに、「おすすめ」や「価格」で選んでしまう人は多い。
ワインの専門家である水上彩も、著書『ワインの世界地図』のなかで、初心者に向けたもっとも簡単で効果的なアプローチを紹介している。
著者は、初心者が最初に取るべき行動について、次のように述べている。
そう聞かれたら、「今夜、コンビニでチリワインを3本買ってみて」とおすすめします。
私も初心者の頃は何を選んでいいかわからず、とりあえずコンビニの棚に並ぶチリワインを片っ端からカゴに入れていました。
ラベルにはカベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネ、ピノ・ノワール……ぶどうの品種が大きく書かれ自転車の親しみやすいイラストが添えられている銘柄、皆さんもご存じ、〈コノスル〉です。
――『15か国・地域を飲んで旅する ワインの世界地図』(水上彩 著)より
高級な専門店に行き、店員に相談しながら選ぶ必要はない。実は、身近なコンビニの棚こそが、ワイン初心者が世界を知るための最初の扉となるのだ。
チリワインが初心者に優しい理由
ではなぜ、フランスやイタリアのワインではなく、コンビニの「チリワイン」なのだろうか。そこには、初心者がワインを理解するための明確な理由がある。
フランスワインが「AOC」という高い壁で初心者を阻む中、チリは「ぶどうの名前」という共通言語で私たちに話しかけてくれました。価格も、関税が撤廃されたおかげで、お財布に優しい……(重要)。
――『15か国・地域を飲んで旅する ワインの世界地図』(水上彩 著)より
伝統的なヨーロッパのワインは土地のルールや独自の表記が多く、予備知識がないと味が想像しづらい。
一方、チリワインは「どんなぶどうを使っているか」をラベルに大きく明記している。この「わかりやすさ」と「手頃な価格」のおかげで、初心者は気軽にさまざまな種類を試すことができるのだ。
自分の「好み」を知るための最短ルート
そして著者は、複数のボトルを買ってどう飲むべきかについても、明確な答えを提示している。
――『15か国・地域を飲んで旅する ワインの世界地図』(水上彩 著)より
1本ずつ日を変えて飲むのではなく、あえて同じ日に同じブランドの「違うぶどう品種」を並べて飲み比べる。
そうすることで、「カベルネ・ソーヴィニヨンは渋みが強い」「ピノ・ノワールは酸味があって華やか」といった味の違いが、明確に舌に刻まれる。
レストランで難解なワインリストを解読するよりも、まずはコンビニで手頃なチリワインを3本買って飲み比べること。
それが、自分の好みを知り、ワイン初心者を卒業するための最も確実で楽しい第一歩なのだ。
ワインジャーナリスト/コラムニスト
1986年生まれ、神奈川県鎌倉市育ち。お茶の水女子大学理学部卒業後、大手通信企業を経てワイン業界へ。世界最大のワイン教育機関WSETが認定する、国内でも取得者の少ない最難関資格「Level 4 Diploma」を保持。
『Forbes JAPAN』オフィシャルコラムニストとして、ワインをビジネスや文化の視点から紐解く一方、国内外の産地を精力的に訪問し、ストーリーを丁寧に紡ぐ執筆活動を展開。スーパーで手に入るデイリーワインからハレの日の1本まで等しく愛し、初心者目線の解説に定評がある。また、茶道や着物を日常に取り入れたライフスタイルを実践し、ワインと日本の美意識を交差させた独自の楽しみ方を発信している。趣味はアルゼンチンタンゴ。








