せっかくの休みなのに、ダラダラとスマホを見ていたら1日が終わってしまった…。「何か新しいことを始めたい」と思いつつも、結局いつもと同じような週末を繰り返している人は多いだろう。そんな「つまらない休日」から抜け出し、日常に彩りを取り戻すための、ちょっとした習慣がある。一杯のワインから歴史、地理、政治、経済、文化を紐解く新しい教養書『15か国・地域を飲んで旅する ワインの世界地図』の著者である水上彩氏の視点をもとに、休日を劇的に豊かにするヒントを紹介する。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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休日の「おひとりさま時間」を格上げする
「休日は予定がないとつまらない」と感じる人もいれば、あえて一人で過ごす時間を大切にしたい人もいるだろう。しかし、ただ漫然と時間を消費するだけでは、心からの充実感は得られない。
ワインの専門家である水上彩も、著書『ワインの世界地図』のなかで、一つの趣味がもたらす豊かな時間について紹介している。
著者は、休日の自己内省の時間を豊かにするアイテムとして、次のように述べている。
読書や映画鑑賞、日記を広げてその日を振り返る自己内省の時間に、これほどふさわしいお酒はありません。
私が勝手に酒の師匠と仰ぐ開高健は、そのエッセイの中で、「ぶどう酒は酔いも醒めもなだらかな丘にそっくりだし、ほのぼのとした陽が血管に射すぐあいは春の温室に入ったようである」と書いていましたが、まさにその通りで、ワインには人の心をほどき、おっとりさせ、癒やしてくれる力があります。
――『15か国・地域を飲んで旅する ワインの世界地図』(水上彩 著)より
特別な予定がなくても、好きなお酒や趣味とともにゆっくりと自分を見つめ直す。それだけで、何もない休日は心を満たす極上の時間へと変わるのだ。
新しいつながりを生む「魔法の接着剤」
さらに著者は、趣味を持つことは、家から一歩踏み出すためのきっかけや、新しい人間関係を築く助けになると語る。
パーティーの隅で居場所をなくし、ぽつねんとしていた私に、ワインは壁を飛び越える勇気をくれました。
共通の話題で会話を弾ませ、同じワインを飲んで人それぞれ異なる感想をシェアするのも、また楽しいひとときです。恥ずかしながら、夫と出会ったのもワインが縁だったので、ワインは縁結びの神様でもあると心から思います。
――『15か国・地域を飲んで旅する ワインの世界地図』(水上彩 著)より
大人になってから新しい人間関係を築くのは億劫に感じることも多い。しかし、共通の関心事があれば、会話のハードルはぐっと下がり、いつもの職場や学生時代の友人とは違う、新しい縁を引き寄せてくれるのだ。
芋づる式に「知的好奇心」が広がっていく
そして最大の恩恵は、一つの分野を深掘りする習慣が行動範囲を広げ、世の中を見る目まで変えてくれることだ。
10代の頃から世界を放浪していましたが、大人になってからの旅は、ワインというテーマが加わったことでぐっと色彩を増しました。
行き先を決める際も、「この国はワインを造っているだろうか」「近くにワイナリーやワインバーはないか」を真っ先に調べるように。
ワインから芋づる式に、物流などなじみのない分野にも興味を持つようになりました(昔の私が、コンテナの本を読んでいる今の私を見たら、ひっくり返ることでしょう)。もともと新聞は生活欄(特に『人生相談』が大好き)とチラシから読むような人間でしたが、今では一面の見出しから関税や政策など、幅広い分野に目を通すようになっています。
――『15か国・地域を飲んで旅する ワインの世界地図』(水上彩 著)より
「つまらない休日」から抜け出すために必要なのは、いきなり大きな予定を詰め込むことではない。まずは自分の興味を引くものを一つ見つけ、それに触れる習慣を持つことだ。
一つの趣味から旅行の目的地が決まり、経済ニュースにまで興味が広がるように。
好奇心のアンテナを少しだけ高くしてみることで、退屈だった休日は、未知の世界へつながる扉へと変わっていくはずだ。
ワインジャーナリスト/コラムニスト
1986年生まれ、神奈川県鎌倉市育ち。お茶の水女子大学理学部卒業後、大手通信企業を経てワイン業界へ。世界最大のワイン教育機関WSETが認定する、国内でも取得者の少ない最難関資格「Level 4 Diploma」を保持。
『Forbes JAPAN』オフィシャルコラムニストとして、ワインをビジネスや文化の視点から紐解く一方、国内外の産地を精力的に訪問し、ストーリーを丁寧に紡ぐ執筆活動を展開。スーパーで手に入るデイリーワインからハレの日の1本まで等しく愛し、初心者目線の解説に定評がある。また、茶道や着物を日常に取り入れたライフスタイルを実践し、ワインと日本の美意識を交差させた独自の楽しみ方を発信している。趣味はアルゼンチンタンゴ。








