歓送迎会や接待など、お酒の席でただ酔っ払って終わる人と、有意義な対話を生み出せる人は何が違うのだろうか。実は、現代のビジネスパーソンも顔負けの「酒席のマネジメント」を実践していたのが、古代ギリシャのエリートたちだ。数千年前から伝わる、お酒に飲まれずに場を支配する究極の教養を紹介する。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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ワインをそのまま飲むのは
「野蛮人」の振る舞い?
古代ギリシャ人にとって、ワインは、お酒の神様ディオニュソスがもたらした劇薬でもありました。
一歩間違えると、人は我を忘れ、エロティックで野蛮な宴に溺れてしまう。
だからこそ彼らは、「神事」と「日常の社交」を峻別し、後者の場ではワインを飲む際にあるルールを設けました。
それが、ワインを水で割るという作法です。
当時のワインは、干しぶどうを使ったり蜂蜜を加えたりと、シロップのようにどろりと濃密だったという物理的な事情や、貴重なワインの消費を抑えるという側面もあったでしょう。
しかし、彼らが水割りの黄金比にこだわった最大の目的は、何より「理性を保つ」ためでした。
日常の社交の場でワインをそのまま飲むのは、自制心のない野蛮人の振る舞いとされたのです。
3000年前の飲み会ルール
場の主催者がその日の議題や顔ぶれに合わせて、水とワインの黄金比を決める――。
それは、参加者の思考を止めず、かつ情熱を失わせないための、「場のエネルギーのマネジメント」でした。
現代の私たちがビジネスの酒席で、本音と理性の絶妙なバランスを探るのも、実は3000年前の知恵の延長線上にあるのかもしれませんね。
(本稿は書籍『15か国・地域を飲んで旅する ワインの世界地図』より一部を抜粋・編集したものです)
ワインジャーナリスト/コラムニスト
1986年生まれ、神奈川県鎌倉市育ち。お茶の水女子大学理学部卒業後、大手通信企業を経てワイン業界へ。世界最大のワイン教育機関WSETが認定する、国内でも取得者の少ない最難関資格「Level 4 Diploma」を保持。
『Forbes JAPAN』オフィシャルコラムニストとして、ワインをビジネスや文化の視点から紐解く一方、国内外の産地を精力的に訪問し、ストーリーを丁寧に紡ぐ執筆活動を展開。スーパーで手に入るデイリーワインからハレの日の1本まで等しく愛し、初心者目線の解説に定評がある。また、茶道や着物を日常に取り入れたライフスタイルを実践し、ワインと日本の美意識を交差させた独自の楽しみ方を発信している。趣味はアルゼンチンタンゴ。








