幅広い世代が働く職場に
世代間ギャップはつきもの

 皆さんは職場で世代の違う相手と話が噛み合わず、モヤモヤだけが残った経験をしたことがありませんか。

 これが、いわゆる世代間ギャップです。

 若者マーケティング機関「SHIBUYA109 lab.(シブヤイチマルキュウラボ)」と「金沢大学金間研究室」の調査によると、41項目のうち、若手世代と上司世代の間にギャップが生じている項目が24項目、共通の認識が持たれている項目が17項目あることが明らかになりました。

 つまり、「全部がズレている」わけでも、「全部わかり合えている」わけでもありません。ズレている部分と、重なっている部分が混在しているのです。

 世代間の会話が難しくなる理由は、相手を否定しているからではありません。

 問題は、ズレている部分と、共通している部分を分けていないことです。

 若手は、「上司は古い考え方だ」と感じる。

 上司は、「若手はまだまだ甘い」と感じる。

 でもその中身を見ると、すべてが対立しているわけではありません。

・成果を出したい

・成長したい

・チームをよくしたい

 このあたりは、実は世代を超えて共通しています。

 ここで、世代間ギャップを整理するときに有効なのが、見えないベン図です。

 このベン図は、「AかBか」を決める図ではありません。AとBの重なりを見つける図です。

 若手世代の考えと上司世代の考えをこの2つの円で描いてみる。

 すると、自然と重なっていない部分と、重なっている部分が見えてきます。

共通点に目を向けることで
対立ではなく対話が始まる

 ベン図で整理すると、話はシンプルになります。

・若手世代だけが重視していること/例:マニュアルが欲しい、チャットでコミュニケーションしたい

・上司世代だけが重視していること/例:自分で考えてほしい、対面でフィードバックしたい

・両世代に共通していること/例:プライベートを優先、髪型や服装は個人の自由

 この「重なり」に目を向けることで、対立ではなく、対話が始まります。

 世代間ギャップは、どちらかが正しくて、どちらかが間違っているという問題ではありません。

 違いは違いとして認める。そのうえで、共通している部分から話す。

 これができると、会話の温度が一気に上がります。

「考え方は違うけど、目指しているところは同じですよね」

 この一言が言えるようになるのは、頭のなかにベン図があるからです。

 世代間ギャップを感じたとき、必要なのは説得でも、正論でもありません。

 重なりを見つけるための話の構造です。ベン図を頭のなかに描くことで、「差異と共通」を同時に扱えるようになります。

 世代間ギャップは、対立の材料ではなく、理解を深めるヒントなのです。

図表:世代間のギャップを感じたとき Z世代と上司世代の仕事観ギャップ調査同書より転載 拡大画像表示