ビジネスの世界では「話し方」一つで大成功を手にすることもあれば、大損失を被ることもあります。ただし、口がうまいからと言って仕事ができるわけではなく、むしろ口下手の方が結果を出すケースも少なくありません。ビジネスで求められる実践的「話し方」とは?この特集ではあなたの「話し方」を劇的にアップデートする書籍を厳選しました。今回は『部下のやる気を引き出す上司のちょっとした言い回し』の中から、会議で言いたいことを上手に引き出す聞き方をお届けします。(ダイヤモンド編集部編集長 山口圭介)
上手に引き出す聞き方の
NGフレーズとOKフレーズ
ダイヤモンド編集部では、編集長、デスクや編集委員らが集まって、特集企画やニュースについて議論する週一回の企画会議が最重要会議となります。かつては夕方以降に始まって長いときは深夜まで、狭い会議室で侃々諤々とした議論を繰り広げていました。
副編集長になりたての頃、延々と6時間以上も続く会議に「長すぎます!」「皆、頭が回ってないです!」「決まるものも決まりません!」「もっと短くしましょう!」などと編集長に不満をぶつけていました。
それも今は昔。働き方改革の一環で、企画会議は始業時間の直後から1時間程度に限り、リアルではなくZoomでの完全リモート開催と様変わりしました。時間が大幅に短くなった補完として、Slack上での議論を活発化させています。
ただ、Zoomでの会議はいまだに慣れません。というか、会議の進行役自体いまだに苦手です……。淡々と進めすぎて参加メンバーからうまく意見を引き出すことができないのです。
そんな会議下手の私にも参考になった書籍が『部下のやる気を引き出す上司のちょっとした言い回し』です。部下への「伝え方」「頼み方」「褒め方」「聞き方」「叱り方」など、すぐに使える150フレーズを紹介していて、シンプルだけど実用的な一言がちりばめられています。
第2章では、以下のように部下の言いたいことを上手に引き出す聞き方について、NGフレーズとOKフレーズに分けて公開しています。
・意見がなかなか出てこないとき
×→「何か、意見はないかな?」
◯ →「たとえば」
◯ →「1つだけ挙げるとしたら」
◯ →「もしも君が私の立場だったらどうするか、教えてくれるかな」
・話が要領を得ないとき
×→「要するに、何が言いたいんだ」
×→「何が言いたいのか、まったくわからない」
◯ →「話してくれて、ありがとう。話を整理したいので、もう一度話してもらえるかな」
◯ →「なるほどね。この部分がわからないので、もう少し詳しく教えてもらえるかな」
◯ →「結論から教えてくれるかな」
・脱線したり、長々と続く話を一度止めたいとき
× →「要するに何が言いたいんだ」
◯ →「つまり、◯◯ということですか」
◯ →「ここまでの話を確認したいのだけど」
・悪い報告を受けたとき
◯ →「大変だったね。報告ありがとう。詳しく聞かせてくれないか」
× →「何をやっているんだ!なぜ、そうなったのか教えてくれよ」
さらに『部下のやる気を引き出す上司のちょっとした言い回し』の他の章では、
・部下が話しやすくなる相槌の打ち方
・部下のプライドをくすぐる上手な褒め方
・部下が気持ちよく動いてくれる頼み方
・部下を立ち直らせる励まし方
・部下にやる気と気づきを与える伝え方
・部下が行動を改善してくれる効果的な叱り方
といった実践的なコミュニケーション術を開陳しており、管理職にとっての金言がずらり。ぜひご一読ください。
『部下のやる気を引き出す上司のちょっとした言い回し』の本文はこちら
第1章 部下が話しやすくなる相槌の打ち方/第2章 部下の言いたいことを上手に引き出す聞き方
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