中国の庶民派チェーンが
相次いで日本へ進出した

 同じく15年頃から日本に中国の飲食チェーンが次々と進出してきた。18年7月、私はたまたま高田馬場駅から早稲田通りを早稲田駅方面に向かって歩いていたときに「沙県小吃」を発見した。中国の街角でもよく見かける店名だったので「あっ」と思った。あの中国の食堂がなぜ日本に(?)と不思議に思ったのだ。

 後日、改めてお店に行ってみた。入り口に券売機があって、食券を購入してから席に座るスタイルだ。券売機には「ワンタン」や「拌麺」などがある。いずれも500円以下と格安。とくに有名なのはワンタンなので注文してみた。

「沙県小吃」のワンタン「沙県小吃」のワンタン(筆者提供)

 厨房内には中国人のコックさんが2~3人。1階はカウンターのみで10席ほど。2階もある。私の両隣には中国人の若い女の子が座って中国語を話していたが、そこに1人だけ日本人がいた。

 どうやら早稲田大学の学生らしく、中国人が日本人に「これが美味しいんだよ~」などと話しかけている。「拌麺」の食べ方も教えていて、微笑ましかった。

 拌麺は日本風にいえば、和え麺、混ぜそばのことだ。ひき肉が少しのっていて、麺を自分で混ぜてから食べる。上海にも有名な葱油拌麺という麺料理があるが、これは福建風の和え麺。

 上海の和え麺は醤油の味が濃く、庶民的な店だけでなく高級な店にもあるが、それに比べて、福建風はさっぱりしている。立派なレストランで食べる料理ではなく、食堂で食べる軽食だ。

 同店は福建省三明市沙県という人口30万人程度の田舎町が発祥。沙県小吃集団という地元企業がチェーン展開していて、世界各地の店舗数は6万店に及ぶ。

 6万店といえば日本のコンビニの数に近い。それが中国だけでなく世界各地に散らばっているというだけで「スケールの違い」を感じるが、日本ではここが初出店だった。