「部下の仕事が遅い」「何度言っても改善しない」。そんな悩みを抱える管理職は少なくないでしょう。しかし、その原因を「能力が低いから」と考えてしまうのは早計です。実は、仕事が終わらない部下には、ある共通した特徴があります。書籍『「今日も仕事が終わらなかった」はなぜ起きるのか? 仕事が3倍速くなる計画・実行・中断の技術』から、そのヒントを紹介します。
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「終わらない」のではなく、「最初から無理な予定」だった
多くの場合、部下は「仕事の量」を正しく把握できていません。
仕事が遅い人ほど、「提案書を作る」「資料を作る」「企画を考える」といった大きな単位で仕事を捉えています。そのため、「今日は資料作成をやります」と仕事を始め、一日が終わって「終わりませんでした」となってしまいます。
一方、仕事が速い人は違います。資料作成という仕事を、「構成を考える」「データを集める」「グラフを作る」「本文を書く」「上司に確認する」「修正する」とアクション単位で細かく分解しています。本来はこうして初めて、本当に必要な作業量が見えてきます。
つまり、部下の仕事が遅いのは、「なぜか終わらなかった」のではありません。もともと部下の立てた予定には無理があったため、立てた時点で、「その日に終わらない予定になっていた」のです。
「終わりません」では上司は判断できない
管理職が一番困るのは、「終わりません」という報告です。「なぜ終わらないのですか?」「あとどれくらいかかりますか?」と聞いても、「ちょっと量が多くて……」「厳しくて……」としか返ってこなければ、何も判断できませんよね。
書籍『「今日も仕事が終わらなかった」はなぜ起きるのか?』の中に、こんな言葉があります。
部下にこの考え方は浸透しているでしょうか。
これは、管理職にも重要な考え方です。部下と上司が同じレベルで仕事を分解できていれば、「なぜか終わらなかった」という事態にはなりません。
仕事が見える化されれば、上司も正しい判断ができるようになります。「優先順位の低い仕事は来週に回しましょう」「この作業は別の人にお願いしましょう」「締切を調整しましょう」といった現実的な判断ができますよね。逆に、「忙しいです」「無理です」とだけ伝えられても、上司には判断材料がありません。その結果、「頑張ってください」「何とかできませんか」としか言えなくなってしまうのです。
部下に教えるべきは「速さ」ではなく「分解」
仕事を割り振るのは上司の役割です。しかし、その判断材料を渡すのは部下の役割でもあります。優秀な部下ほど、自分の仕事を細かく分解し、何にどれだけ時間がかかるのかを整理しています。
部下の仕事が遅いのは、能力が低いからとは限りません。仕事を頭の中だけで管理し、「見える仕事」に変えられていないだけなのです。
だからこそ、管理職が教えるべきなのは、「もっと速くやりなさい」ではありません。「まず仕事を分解しましょう」という考え方です。その一歩が、部下の生産性だけでなく、チーム全体のマネジメントを大きく変えていくはずです。






