転機は2022年の五月場所。娘が取ってくれた「溜席(たまりせき)」のチケットで、はじめて間近で見る力士たちの迫力、ぶつかり合う音に圧倒されました。テレビではわからなかった神事としての厳かな空気にも触れ、一瞬で魅了されてしまったのです。

 私の推しは若隆景(わかたかかげ)です。浮世絵から抜け出てきたような凛々しい姿、喜怒哀楽を表に出さずに土俵に向かう古武士のような佇まい、小柄ながら高度な技を駆使する「業師」としての魅力、そして大怪我から復帰してきた不屈の精神。そのすべてが私の心をつかみました。

 名前が非常に読みにくいので、噛まずに呼べるように毎朝滑舌を鍛える体操をするのが日課になっています。私がハマっているので、今では幼い孫も「わかたかかげ」を言えるようになりました(笑)。

『スマホで100倍楽しくなる!50歳からの推し活入門』書影スマホで100倍楽しくなる!50歳からの推し活入門』(劇団雌猫・著、松下真由美・監修、インプレス)

 2023年の退職後、「年間6場所をすべて現地観戦」を本格的にスタート。大阪・名古屋・福岡などの地方場所では、友人と合流して観光も楽しむようになりました。名古屋では鰻、福岡では唐津や伊万里へ足を伸ばすなど、推し活が旅の楽しみを広げています。

 会場では若隆景のTシャツを着てタオルを振り、大声で声援を送ります。以前の私なら恥ずかしくてできなかったことも、推しのためなら自然とできてしまう。声を出し切る爽快感は忘れられません!

 長年の会社員生活で慣れたExcelは推し活にも大活躍。遠征の旅程表をExcelで作成してPDF化し、スマホに保存するのが私の定番スタイルです。割り勘には「レコペイ」というアプリが便利で、旅仲間にも好評です。

 最近は「しまうまプリント」でフォトブックを作るのにも夢中です。観戦写真や旅の記録を1冊にまとめると、推し活の軌跡が形として残り、見るだけで元気が湧いてきます。