無人の家に窓から侵入し、再び外に出てくるクマ(6月、カリフォルニア州サウス・レイク・タホ)
【サウス・レイク・タホ(米カリフォルニア州)】ピーター・フォンズさん(69)と妻のバービーさんが夕食後に皿を洗っていると、ふと顔を上げた先のリビングルームにクマがいるのが見えた。
「クマはただそこにいた。四つんばいで、よだれを垂らしながら」とピーターさんは振り返る。「それからソファの周りを歩いて、床に盛大におしっこをした」
バービーさんが奥の部屋に身を隠し、ピーターさんはドアを勢いよく閉めたり、鍋やフライパンをたたいたりして侵入者を追い払おうとした。そのクマ――雄なのに「ジュディ」という名の常習犯であることが後に判明――は、のんびりとバスルームに入り込み、カウンターに前足をかけて歯磨き粉のチューブを嗅いでから立ち去った。
「3日間、ここは動物園みたいな臭いがした」とピーターさん。退職生活を送るフォンズさん夫妻は松の木陰で、赤ワインを飲みながら気持ちを落ち着かせていた。この1カ月でクマに侵入されたのはこれが2度目だった。
アメリカクロクマは全米各地で大暴れしている。保護政策の強化などを背景に、個体数が回復していることも一因だ。小都市や郊外の周辺では、この捕食動物が鋭い嗅覚を頼りにごみ箱や自動車、住宅へと向かう。テネシー州ガトリンバーグでは5月、ホテルのトイレに入り込んで中に閉じ込められたクマを警察が救出した。また、コロラド州スティームボート・スプリングスでは6月、建設作業員がトラックのドアを開けると、子グマが昼食を食い荒らしていた。
フォンズさん宅に侵入したクマは「ジュディ」と呼ばれる常習犯だ







