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出社か、リモートか。コロナから数年が経ち、「出社回帰」する企業が増えつつあるなかで、この議論が再燃している。それぞれにメリット・デメリットはあるが、「社内評価」という点で見ると1つの結論が出せると言う。ビジネスパーソン17万人を分析してわかった、「昇進が早い人」の共通点とは? (構成/ダイヤモンド社・石井一穂)
※本稿は、越川慎司著『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』の一部を引用した記事です。
「出社か、リモートか」の、ある1つの結論
コロナ禍から数年が経ち、当時はリモートワークを推奨していた企業も含めて、「オフィス出社」に回帰する企業が増えた。
そこでふたたび、「出社か、リモートか」の議論が巻き起こっている。
「リモートワークの方が、通勤時間もなく仕事に集中できる」
「出社した方が、上司や同僚とのコミュニケーションが円滑になる」
様々な意見が飛び交っており、どれも一理あるように感じる。
しかし815社17万人のビジネスパーソンの行動データ人事評価を分析した結果、非常に興味深い事実が浮かび上がってきた。
「社内評価」という点で見ると、「出社」している人の方が有利のようだ。
じつは、成果を出して着実に昇進していく人ほど、あえてオフィスへ足を運び、「ある場所」での数分間の行動を戦略的に運用していたのだ。
昇進する人たちが、出社してやっている「たった1つの習慣」
昇進していく人たちは、オフィスに足を運んで何をしているのだろうか。
彼らが向かっていたのは、自分のデスクではなく「社内の自販機前や給湯室」であった。
期待されている人の56%は、朝のコーヒー時間を社内の交流を加速させる時間ととらえているようです。
たとえば、職場の自動販売機の前でコーヒーを飲みながら、他部署の同僚たちと短い会話で関係を温めていました。
実際、朝のコーヒー習慣を戦略的に運用している人たちは他部署との連携が多く、組織横断のプロジェクトに参画する人の比率が一般社員の1.7倍でした。
(越川慎司著『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より)
彼らは職場でのコーヒータイムを、「他部署との関係を温める戦略的なコミュニケーションの場」として活用していたのだ。
なぜ「コーヒータイムの雑談」が昇進につながるのか?
「単なる社内の雑談が、なぜそこまで成果や昇進に直結するのか」
そう疑問に思う人もいるだろう。
しかし、大規模なデータ分析によると、時代とともに「成果の出やすいチームの形」が劇的に変化していることがわかっている。
かつてのように「同じ部門の仲良しチーム」で成果を出せる時代は終わり、現在は主たる部門の「外のメンバー」をどれだけ巻き込めるかが、会社から高く評価されるビッグプロジェクト(イノベーション)を成功させる決定打になっているのだ。
同書では、ある大手情報通信会社で、社長表彰をもらうようなイノベーションを生み出したプロジェクトのメンバー構成がどのようになっていたかを調査したところ、2012年は同じ部門のメンバーが多いプロジェクトが多数であったが、2024年は主たる部門の「外のメンバー」の比率が高いプロジェクトが多いことがわかったと紹介されている。
顧客や市場のニーズが多様化かつ複雑化したことで、特定部門の努力だけで成果を出すのは難しくなり、より多様な価値観や経験が求められているためでしょう。
コーヒータイムの雑談は、この多様な連携の土台となる人間関係の形成に一役買っているのです。
(越川慎司著『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より)
普段から自販機前で他部署の人と顔を合わせ、「最近そっちの部署どう?」と声をかけ合える関係を築いている人だけが、いざ大きなプロジェクトを立ち上げる際に、スムーズに他部署の協力を引き出すことができる。
出社する価値とは、単に作業をすることではなく、こうした「組織の壁を越えた横の繋がり」を作ることにあったのだ。
今日からできる、評価を変える一歩
もしあなたが「社内での顔が狭い」「自部門以外の動きがわからない」と感じているなら、明日出社した際に試すべきアクションはひとつだけだ。
「朝、自社の自販機や給湯室に行き、そこにいる他部署の人と雑談してみる」
PCの画面に向かっているだけでは絶対に生まれない、そのわずか数分間の「偶発的な繋がり」の積み重ねこそが、あなたを組織になくてはならない存在へと押し上げ、昇進へと導く大きな原動力になるはずだ。
株式会社クロスリバー 代表取締役社長
日系通信会社や外資ベンチャーなどを経て2005年にマイクロソフト米国本社へ入社。その後、日本マイクロソフトの役員としてExcelやPowerPointなどの事業責任者を務める。2017年には週休3日・複業を実践する会社、株式会社クロスリバーを設立し、800社以上の働き方改革を支援。年300回以上提供する企業向けオンライン講座の受講者満足度は平均96%、行動に移す受講者は95%以上。著書は『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)や、『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など33冊、累計130万部。NHK、TBS、テレビ東京、PIVOT、NewsPicksやReHacQなどメディア出演多数。




