職場で「仕事ができる」と言われる人の朝のルーティーン・ベスト1Photo: Adobe Stock

出社後すぐにデスクに直行し、一人で黙々とメールチェックやタスク整理を始める人がいる。しかし実はその真面目な朝の行動こそが、大きな成果から遠ざかってしまう罠だった。17万人の行動データが解き明かす、職場で「仕事ができる」と言われる人が朝一番にやっているルーティーンとは? (構成/ダイヤモンド社・石井一穂)
※本稿は、越川慎司著『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』の一部を引用した記事です。

「朝から仕事に集中する」のは逆効果

出社すると一目散に自分のデスクへ向かい、PCを立ち上げてメールチェックを始める。

誰とも話さず黙々とタスク整理をし、一人で集中して作業準備を進める。

無駄な時間を一秒も作らず、ストイックに仕事に取り組む人は多い。

だがじつは、この「朝の習慣」こそが、組織での存在感を希薄にさせている原因になっている。

自分の狭い担当業務だけに視野が閉じてしまい、他部署との繋がりや偶発的な情報が入ってこなくなる。

その結果、いざ部署横断の大きなプロジェクトや新しい提案が求められた際「自部門の仕事しか見えていない」「展開力がない」と見なされ、「仕事ができない人」というレッテルを貼られてしまうのである。

「仕事ができる」と言われる人の朝の習慣

では、「あの人は仕事ができる」と絶賛される人は、朝のルーティーンで何をしているのだろうか。

815社のビジネスパーソン17万人の行動記録と評価データを分析したところ、意外な結果が見えてきた。

彼らは朝のコーヒータイムを「戦略的コミュニケーション」として活用していたのだ。

期待されている人の56%は、朝のコーヒー時間を社内の交流を加速させる時間ととらえているようです。
 

たとえば、職場の自動販売機の前でコーヒーを飲みながら、他部署の同僚たちと短い会話で関係を温めていました。
 

実際、朝のコーヒー習慣を戦略的に運用している人たちは他部署との連携が多く、組織横断のプロジェクトに参画する人の比率が一般社員の1.7倍でした。
(越川慎司著『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より)

「雑談なんて無駄ではないか」
「一人で黙々と作業する方が効率的だ」

そう信じ込んでいる人は少なくない。

しかし、部署を超えた関係をつくることで、仕事の幅や規模が広がり、大きな結果を出せる「仕事ができる人」という評価を得られるのだ。

時間をあえてずらすことで、社内コラボが1.6倍に

さらに彼らは、単にコーヒーを飲むだけでなく、時間帯を意図的に「微調整」していた。

それは、出会う顔ぶれを変えるためだ。

さらに驚いたのが、期待されている人たちが、朝のコーヒータイムを曜日ごとに少しずつずらしていたことです。
 

月水金は8時55分、火木は9時05分といった具合に微調整し、雑談する顔ぶれを意図的に変えていました。
 

AIで滞在ログとコミュニケーション履歴を突き合わせて分析すると、この「ずらし」の実践者は、四半期あたりの新規コラボ相手が平均で1.6倍に増えていました。
(越川慎司著『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より)

「自分の仕事をこなすことこそがすべてだ」と、周囲との対話を省く人ほど、組織内での連携力を失い、小さな成果で頭打ちになってしまう。

朝のほんの数分、自販機や給湯室に立ち寄り、時間をずらしながら多様な相手と短い雑談を交わす。

このルーティーンを大事にする人こそが、圧倒的なネットワークと巻き込み力を手にし、職場から「本当に仕事ができる人」として重宝され続けるのである。

越川慎司(こしかわ・しんじ)
株式会社クロスリバー 代表取締役社長
日系通信会社や外資ベンチャーなどを経て2005年にマイクロソフト米国本社へ入社。その後、日本マイクロソフトの役員としてExcelやPowerPointなどの事業責任者を務める。2017年には週休3日・複業を実践する会社、株式会社クロスリバーを設立し、800社以上の働き方改革を支援。年300回以上提供する企業向けオンライン講座の受講者満足度は平均96%、行動に移す受講者は95%以上。著書は『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)や、『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など33冊、累計130万部。NHK、TBS、テレビ東京、PIVOT、NewsPicksやReHacQなどメディア出演多数。