グラフに示された疾患(回答者が申告した持病などの疾患)の中でも、高額療養費制度の利用者(各疾患の上側棒グラフ)・非利用者(下側棒グラフ)ともに高血圧や脂質異常症が多いのは、世間一般の疾患分布の反映だと理解できる(各疾患の棒グラフは、高額療養費を利用している/いない人のうち、その疾患を持っている人の割合。たとえばがんならば、「高額療養費を利用している人のうち15.3%ががんに罹っている」ことを示しており、「がんの人の15.3%が高額療養費を利用している」わけではない)。
制度利用者の中では
がんや指定難病の割合が高い
それらの多様な疾病分布の中でも、指定難病やがんに罹患していると申告した人は、制度の利用者(上側棒グラフ)が非利用者(下側棒グラフ)を大きく上回っていることがわかる。つまり、さまざまな疾患の中でも、特にがんや指定難病の患者は他の疾病と比較して高額療養費制度を利用している人の割合が制度を利用していない人よりも多く、これらの疾患に対しては制度がそれなりに有効に機能しているのだろう、ということが見て取れる。
また、うつ病の回答が少なくないのは、それ自体の治療に加え、高額療養費制度を利用するような疾患は経済毒性(疾患に伴う高額な治療費や収入の減少などが生活の不安定度を増して、心身をさらにむしばむこと)が高く、それがメンタルヘルスに大きな影響を及ぼすことの反映、と見ることもできるかもしれない。
いずれにせよ、高額療養費制度はがん患者だけではなく、さまざまな病気を抱えて生きる人々が利用していることは、[図8]の疾患分布から見て取れるとおりだ。たとえば、当初の政府〈見直し〉案凍結後に設けられた高額療養費制度の在り方に関する専門委員会の第2回会議(2025年6月30日)では、疾患当事者の参考人として認定NPO法人日本アレルギー友の会理事長の武川篤之氏が、アレルギー疾患に苦しむ人々の制度利用実態を証言した。
関節リウマチの治療は
長期にわたり継続する
また、筆者自身も、自己免疫疾患の関節リウマチという病気でこの制度を利用する治療を16年ほど続けてきた。







