「地頭」を鍛えたいと思っても、今さら変えられないものと思われがちだ。だが、多くの社員を育成してきた東証プライム上場社長の木下勝寿氏は新刊『地頭スイッチ』で、「地頭はセンスではない。スイッチの押し方さえわかれば変えられる。AI時代になればなるほど『地頭』が重要になる」という。たった「2文字」を意識できる人とできない人とでは大きく差がつくらしい。ライター小川晶子氏が報告する。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)
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非生産部門は肩身が狭い?
会社員をしていた頃、同期メンバーの中で私は1人だけ「非生産部門」に配属された。
総務・経理の仕事だ。
仕事自体は嫌じゃなかったが、営業部門のメンバーと話していると肩身の狭い気持ちになることがよくあった。
私はどんなに頑張っても売上を上げられないからだ。
むしろコストがかかっている。
虫の居どころの悪い営業マンに「コストセンターのくせに」と言われたこともあったような気もする(被害妄想かもしれない)。
すべての仕事は「採算」につながる
ベストセラー著者の木下勝寿氏による『地頭スイッチ』を読んでいたら、こんな文章に出合ってつい嬉しくなってしまった。
しかし、経営者視点に立つと、本来「非生産部門」は存在しません。
──『地頭スイッチ』より
さらに、木下氏はこうも言っている。
──『地頭スイッチ』より
かつての私は、自分の仕事がどう採算につながっているのか説明することができなかった。それで悶々としていたのだ。
当時、この本があったら、もっと自信を持てたし、もっと地頭を働かせて仕事ができたかもしれない。
トイレットペーパーを買いに行く仕事の重要度
木下氏が一人で起業した当初、「トイレットペーパー事件」なるものがあったそうだ。
社運を賭けたプレゼンを控えて出発まであと30分しかないときのこと。
木下氏は便意を催し、トイレットペーパーを買いに行かざるを得なくなった。
一人でやっている以上、何かをあきらめるしかない。
結局、プレゼンの最終確認をする時間がとれず、散々な結果になってしまったという。
トイレットペーパーを買いに行ってくれる社員がいたら、プレゼンは成功していたかもしれない。
社運を賭けたシミュレーションと、トイレットペーパーを買いに行く仕事は、難易度は違うが「重要度」は同じだと木下氏は述べている。
これにはあらためてハッとさせられる。
まず理解しておきたいのは、だからこそ、自分が雇われて給料をいただいているという事実。あなたのやっている仕事は必ず「会社の成果を成立させる重要な役割」の一部を担っているのです。
──『地頭スイッチ』より
どんな仕事も、その重要性を理解しながらできたらいいと思う。








