自慢話ばかりで場を支配し、他人の手柄を横取りする「自己愛が強すぎる人」。最初は魅力的に見えても、関わると心身ともに疲弊してしまいます。実は、その過剰なアピールの裏には“ある心理”が隠されています。厄介な相手に振り回されず自分を守る「最適な対処法」と、絶対にしてはいけないNG行動をズバリ指南。ターゲットにされないための、賢い距離の取り方をお伝えします。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局・斎藤順)
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。
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精神科医が解説する「自己愛性パーソナリティ症」の人との付き合い方
今日のテーマは、性格の偏りに関する「自己愛性パーソナリティの人との付き合い方」についてです。
精神科の領域では、性格の傾向が極端すぎて日常生活に支障をきたし、本人や周囲が困っている状態を「パーソナリティ障害(最近はパーソナリティ症とも呼ばれます)」と診断します。
かつては「人格障害」と呼ばれていましたが、言葉のニュアンスが悪いため名称が変わりました。現在主流となっているアメリカの精神医学の診断基準「DSM」もバージョンアップを重ねており、私が精神科医になった頃の「DSM-IV-TR」から、現在は最新の「DSM-5-TR」へと移行しています。呼び方は変わってきていますが、実態としては同じものです。
このパーソナリティ症にはいくつかのジャンルがあり、その中の一つに「自己愛性パーソナリティ症」というものがあります。今回は、診断がつくほどではないけれど、傾向として極端で「本人は困っていないが、周囲が取り扱いに少し困ってしまう」グレーゾーンの方との接し方についてお話しします。
注意点:勝手なレッテル貼りは厳禁です
大前提として、素人が勝手に「あの人は自己愛性パーソナリティだ」と診断したり、レッテルを貼ったりすることは絶対にやめてください。
これはある意味でその人を差別的に扱うことにつながり、非常によくない行為です。そして、その決めつけを元に周囲の人と陰口を言うようなことも避けるべきです。パーソナリティ症というのは、あくまで本人が困って受診し、医師が診察をして初めて下される診断です。
今回の内容は、あくまで「自己愛が強く、周囲が振り回されて実害を被っている場合」に、自分の身を守るための対策として役立ててください。
自己愛の強い人の特徴と隠された内面
自己愛性パーソナリティの傾向がある人の大きな特徴は、以下の通りです。
●他人の手柄を横取りするなど、他人を利用することに抵抗がない(または無自覚である)
●自慢話や自己アピールが多く、他人の会話に割り込んで場を支配しようとする
こうした人がいると、周囲は振り回され、利用されて疲弊してしまいます。
しかし、私自身は自己愛性の傾向がある人をそれほど苦手としていません。なぜなら、彼らは本当に自分のことが好きなのではなく、「健全な自己愛(ありのままの自分を受け入れる心)」が育っていないからこそ、過剰なアピールや他人の利用に走ってしまうと考えられるからです。本当の意味ではしんどい状態なのだろうと察することができるため、イラッとすることはあまりありません。
とはいえ、そうした前提知識がないまま強烈な自己アピールに直面すると、対処に困って辛い思いをすることになります。



