7月下旬、日本の広い地域が大雨に見舞われ、気象庁は島根・山口両県に「これまで経験したことがないような大雨」という表現で警戒を呼びかけた。これは気象庁がこれまでの基準を超えた災害を対象に、8月30日から運用を始める「特別警報」を先取りしたものといえる。

 このような近年の異常気象や相次ぐ災害を念頭においてか、WEBサイトやスマートフォンのアプリなどにも雨に関するサービスが登場した。

「COCOAME」の画面。福井県内各地の天気、雨量や河川情報がリアルタイムにわかる

 福井県の丹南ケーブルテレビが7月19日よりスタートさせた「COCOAME(ここあめ)」は、大雨・水害時に自分の身の回りに何が起きているのかすぐにわかる、県内限定のサービスだ。

 福井県内各所の河川水位、河川カメラの映像、雨量、注意報・警報の有無などが地図上に表示され、リアルタイムに把握できる。同社の事前調査で、水害が予測される際には「越水や堤防の決壊情報」「川の水位についての情報」、つまり「自分の身に何が起きるのか?」に関する情報の需要が高いことがわかり、本サービスの開発につながったという。

豪雨が襲ったその日
雨情報サービスにはアクセスが集中

 福井県は7月29日から30日にかけて大雨に見舞われた。ほぼ全県に大雨警報が発令され、一部地域には大雨洪水警報が発令された。

 リリース後初めて真価が問われることとなったCOCOAMEにはアクセスが集中。運営スタッフは各自治体から臨時避難先などの最新情報を集め手入力するなど、刻一刻変化する状況への対応に追われた。

 COCOAME管理責任者の吉田拓朗氏は「最初の試練を乗り切ることができた。今後は河川カメラの設置台数を増やすなど、よりきめ細やかな対応をめざしたい」と語った。