「面倒見が良いというのは、学生と関わりながら学生の能力を伸ばすことが主であり、学生が自立することを目標にしてきた。そのために学生との関わりを嫌がらず、学生が大好きですという教員を集めてきた」という。著名で研究内容は素晴らしいが、学生は勝手に伸びてくれればいい、という考えでは大学も成り立たない。
掲げるのは「教育付加価値日本一」だ。学生が多くの価値を得て卒業できる。卒業後に自立的に社会の中で活躍できる。この2点に軸足を置いたカリキュラムを作り、指導をすることが、面倒見の良さだと自負している。「改善する議論をしていても、最終的には学生のために取り組んでみようというマインドが教員の共通の意識にある。常に若い学生たちと関わるのは精神衛生上良いし、エネルギーをもらえる。そうしたフィードバックが教員たちの成長につながる。大学の教職員ほどいい仕事はない」。そんな大澤学長に共感する教員が各地から集まっている。
全都道府県に高校担当の職員を配置
年に2回各高校に学生の成長を共有
金沢工業大学は職員を全ての都道府県に配置し、その地域の高校担当と称する。毎年2回、各高校を訪問し、その高校から受け入れた学生の講義での様子や、設定した目標や課外活動の成果を報告し、学生の様子や成長を共有している。
さらに、推薦入試などで受け入れる学生は、入学教育を行い、大学生活について先輩たちから直接アドバイスを受ける。また、大学の授業を体験し、その一部は入学後の単位に認定している。
教育の特色の一つが人工知能(AI)を使った「数学ナビゲーション」と呼ばれる独自のシステムだ。大学が「数学の辞書のように使ってほしい」と考えているもので、高校数学と大学1~2年次に学ぶ数学の内容を網羅。基本的な数学の公式をまとめてあり、学生は動画アプリで解法のヒントを得ることができる。
どのレベルからスタートしても、一定レベルまでは到達できる自学自習の教材で、行き詰まると教員に相談できるチュータリング制度を設けている。学生が窓口を訪れて確認し、解決すると再びAIに任せ、理解できなくなれば、また訪れる、という仕組みだ。これらを利用し、学生はデータサイエンスやAIを深く理解するための基礎を身につける。
静岡県浜松市出身で、工学部航空システム工学科に入学し、大学院修士2年の男子学生(24)は、高校時代、同級生から金沢工業大学は面倒見が良い大学と聞いた。







