誠意を持ちすぎないほうが
人間関係はうまくいく

 全ての人間関係の基本は「相手の立場になって考える」ということだと思います。

 友情だろうが、恋愛だろうが、国家間の外交交渉でさえも同じです。

 自分が向き合っている人は何がしたいのか。何を欲しがっているのか。何をされると嬉しくて、何をされるのが嫌なのか。

 だけど他人の気持ちは、本当の意味ではわかりません。よかれと思ったことが相手にとっては嫌なこともあります。

 ではどうしたらいいのか。

 意外と思われるかも知れませんが、僕の見つけた1つの発見を共有させてください。

「人間関係は、誠意を持ちすぎないほうがうまくいく」

 恐らく多くの人が逆だと感じるでしょう。誠意を尽くして、他人と向き合うことが人付き合いの基本だ、と。

 だけど実は、誠意とはやっかいなものです。

「こんな誘いをしたら迷惑じゃないかな」とか「何度も誘ったら嫌われちゃうんじゃないかな」という誠意が邪魔して、他人に連絡を取れない人が多いと思います。

 でも「相手が嫌だったらどうしよう」といった考え方は、一見相手のことを考えているようでいて、実は自分が嫌われたくないだけ、という場合があります。自分が傷つきたくないだけなのに、「誠意」を持っているふりをして、消極的になってしまうのはもったいないと思います。

 本当は相手が自分を嫌っているかなんてわかりません。

 だから仲良くなりたいと思った相手には、勇気を出して自分から声をかけてみる。誠意の鎧を脱いでみる、というのが人付き合いの第一歩だと思います。

多くの人は誘われると
嫌な気はしないもの

 友達が多い人には共通点があることに気が付きました。

 それは「自分から誘う人」だということです。

 よく食事に誘ってくれる友人がいます。予定が合わずに断ってしまうことも多いのですが、彼は「気にしないで。僕からの誘いはメルマガだと思ってくれていいから」と言っていました。

「メルマガ」なんだから返事は適当でいいし、何なら無視してもいい。こう言ってくれると、断ることを重荷に感じなくて済みますよね。

 ここには人付き合いの1つの極意がある気がします。

 独断ですが、人から誘われて嫌な気になる人はほとんどいません。たとえ結果的に断るとしても、他人の好意を無下に断れる人はあまりいません。

 生理的に無理という場合もありますが、それって確率的には少ないんですよね。

『コミュ力不要の社交術』書影『コミュ力不要の社交術』(古市憲寿、新潮社)

「これはさすがに行けないよなあ」という誘いでも、誘ってくれたこと自体には感謝の気持ちが生まれがちです。

 とはいえ、自分から誘うことにハードルを感じる人も多いと思います。「断られたらどうしよう」「嫌がられたらどうしよう」「忙しい相手を困らせてしまうかも」といった不安はよくわかります。

 そう思った時は、こう考えるようにしています。「自分はみんなから誘われるのを待つような人気者なのか」と。

 よほどのスターや実力者なら、「誘われるのを待つ」という姿勢でかまいません。でもスターじゃないなら、勇気を出して、自分から誘ってみて損はないと思います。

 ちなみに僕の経験上、本当のスターは結構、人を誘ってくれます。