今や生活の一部となっている人も多いSNS。その一方で、SNS上では友人がたくさんいるのに、リアルな友人は数人しかいない人も。SNSは自分や他人のよい面しか分からないから、付き合いが平面的になる……など、こと友人関係については、いろいろツッコミどころが満載なツールでもある。友達とのつながりを維持しつつ、意義ある形でコミュニケーションを取るためには、どう利用すればよいのか。「女同士の友情」をテーマに取材を行う著者がSNSで育む友情のメリットについて紐解く。※本稿は、クレア・コーエン著、安齋奈津子訳『女友達ってむずかしい?』(河出書房新社)の一部を抜粋・編集したものです。
チャットやメッセンジャーで
友達づくりをしていた、あの頃
俗説:ネットやアプリで知り合った友達はリアルで知り合った友達ほど価値がない?
私は友達づくりにインターネットが使われるようになる以前から、友達づくりをしていた記憶がある、マイクロ世代と呼ばれるヘンな世代のひとりだ。
ジレニアルだとかカスペル、ミレニアル世代高齢層(これは嫌)だとか呼ばれている私たちは、1980年代の中頃にかけて生まれ、家庭用コンピュータの導入期を経験し、なおかつ、SNSの介入を受けないまま弱冠21歳に達した最後の世代でもある。デジタルの世界と同じくらいアナログにも親しみを感じており、いいとこ取りをしている。
自宅にインターネットというものが出現したときの様子や、ネット接続中に固定電話回線が使えなくて親が怒っていたことだとかを、私たちは経験している。
主な検索エンジンが〈HotBot〉、〈AltaVista〉、〈Ask Jeeves〉だった時代や、〈MySpace〉ができたときの熱狂も記憶している。これがなんのことだかさっぱりわからないという方は、おそらく、1996年以降の生まれだろうか。便利な時代に生まれた世代である。