この年までくれば、誰も高齢者のあなたに関心のある人はいない。あなたが何をしようが、どう生きようが気にしている人はいない。アンケート調査などで体験していると思うが、年代の枠に70代がないことからも誰も注目していないことがわかるはずだ。
本当はヒョウ柄が好きだけど……という人は、明日からヒョウ柄の服を着て堂々と歩こう。動物園からヒョウが脱走したとは誰も思わないので、安心して歩こう。
かく言うわたしはどうしようか。書く仕事をいつまでやっていくのか。わたしを中心に運営しているSSSネットワーク(編集部注/筆者が代表理事を務める、独身女性を応援するNPO法人)の活動はいつまで続けたらいいのか。80歳まで?85歳まで?
仕事からも活動からも解放されて、暑い夏は3カ月ぐらい、どこかの島で自然と戯れたい。わたしは海を見ているのが好きだ。ただ、海辺にいるだけで幸せになれる。でも、今のままだと、いつも仕事や活動のことで頭が休まる時がない。
人のためにやれるというのが
一番幸せなこと
会を支えてくれている仲間に相談すると、「あなたが立ち上げた会、あなたのカリスマ性でやってきた会なのだから、辞めるのも続けるのも、あなたの決心次第。わたしたちは、あなたの決定を受けとめますよ」と言われた。
ああ、どうしたらいいのだろうか。仕事も活動もなくなったら、気持ちは楽になるが、やることがなくて寂しくなるのは目に見えている。
会社員ではないので、定年も老後もない。今やっていることがわたしらしい人生なのだ。わかってはいるが……。
いつも話を聞いてくれる近所に住む母の友人だった90代の女性に悩みを打ち明けた。SSSの会報誌を毎号送らせていただいているので、わたしのことをよくわかっている方だ。すると、その方は笑いながらこう言ったのだ。
『70歳からは「これ」だけあればいい』(松原惇子、SBクリエイティブ)
「SSSの会報誌『スマイル通信』は素晴らしいわね。よその団体の会報誌はもらってもほとんど捨てる。でも『スマイル通信』だけは何回も読み返している。会員の方は、あなたから元気をもらっていると思うわよ。あなたは意識してないと思うけど、人のためにやれるというのは一番幸せなことよ。誰にでもできることではない。みんなに元気を与え続けてちょうだい! 応援してるわよ」
さすがに人生の先輩のおっしゃることは違うと思った。これまでのわたしは、仕事も団体のことも自分本位でやっていた。個人の人生が一番大事なことだと思っていた。
しかし、先輩の話を聞いているうちに、冬眠明けの熊のように目が覚めた。
せっかく、元気を配達できる立場にいるのに、それを全うしないでどうするの? 危ない危ない、もう少しで最終的な生き方の方針を見誤るところだった。







