食事をする高齢女性と見守る介護スタッフ写真はイメージです Photo:PIXTA

老後の安心を求めるなら、施設に入るしかないのだろうか。住み慣れた自宅で最期まで暮らしたいと思っても、病気や介護への不安はつきまとう。そんななか、78歳の筆者が思いついたのが、「自宅を私設老人ホームだと思えばいい」という発想だ。施設に入らず、自宅で安心して暮らすにはどうすればいいのか。ひとりの老後を前向きに、そして楽しく過ごすためのヒントを紹介する。※本稿は、ノンフィクション作家の松原惇子『70歳からは「これ」だけあればいい』(SBクリエイティブ)の一部を抜粋・編集したものです。

「私設老人ホーム」と考えれば
自宅の暮らしは極楽に変わる

 先日、ふと、1つのアイデアが浮かんだ。施設入居を希望する人の主な理由は「いざというときに安心だから」「看取りまでしてもらえるから」だ。

 つまり、「安心の場所」として施設を選んでいるのだ。一方、自宅派の人は、「住み慣れた環境を離れたくない」人たちだと言える。

 極端な分け方かもしれないが、施設派は病気や介護の不安を解消したい心配性タイプ。一方自宅派はなんとかなるさのケセラセラタイプと言えるのではないか。

 すると、こんな声が聞こえてくる。「自宅派の人はお金がないから入れないのでは?」。そうかしら。お金の問題ではないとわたしは思う。

 SSS(編集部注/筆者が代表理事を務める、独身女性を応援するNPO法人「SSSネットワーク」)の会員も高齢になってきている。現在、施設に入っている人は十数名。

 500人中の十数人は、そんなに多い数ではないだろう。これから増えるかもしれないが、ほとんどの会員が自宅で最期を迎えることを望んでいる人たちである。