ここにきて米国株式市場でS&P500が過去最高値を更新したが、日経平均は乱高下している。
こんなとき、「貯金」か「投資」か、何を軸に判断したらいいのか? そこでライターの米多寿樹氏が「貯金と投資の名著」を厳選。「読むと人生が変わる」「『金持ち父さん 貧乏父さん』以来の衝撃の書」と絶賛されているベストセラー『JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則』のエッセンスを特別配信する。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)
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個別株投資の悪夢は繰り返す
今年は2026年。ライブドア・ショックからちょうど20年だ。
当時の大学生より上の世代……だいたい40歳以上の日本人の一部に投資に対する大きな忌避感があることが多いのは、当時の事件の狂騒ぶりによる株の大暴落で悲惨な目に遭った人たちの姿が未だ目に焼き付いているからかもしれない。
他にも大小さまざまな投資を巡る事件はあった。
日本だけではなく、世界でもそうだ。
そうした出来事からの反省で導き出されたのが、「個別株投資はインデックス投資に勝てない」という本書でも紹介されているテーゼだ。
本書では、これを個別株投資を批判する「金融論的な主張」と呼んでいる。
この主張はさほど珍しいものではない。というか、おそらく現在、少しでも投資に興味を持ったら、確実に目にする情報ではないだろうか。
新NISA導入以降の日本では、原則「投資について考える」とは「インデックス投資でどの銘柄を買うかを検討する」とほぼイコールになっている感がある。
本書もそうした考え方に反論するものではないが、ユニークなのは「金融論的な主張」に加えて、「存在論的な主張」を掲載している点だ。
著者はこちらのほうが、個別株投資を否定するうえでより説得的だと考えている。ぜひ紹介したい。
個別株投資への「存在論的な」批判
――『JUST KEEP BUYING』より
スポーツなどの勝ち負けはわかりやすい。他にも世の中に判断基準が明確なものはたくさんある。芸術にしても、ランキングや賞での評価などを通じて序列がある程度はできるだろう。
しかし株式投資の個別銘柄の選び方にセンスがあるとか、そうしたことをどう判断したらいいのか?
「カリスマ投資家」は無数に存在するが、そのすごさを裏付けるものはなんなのか。
これは哲学的な問いかけでありながら、極めて現実的な問いだということに、恥ずかしながら本書を読んで初めて気づかされた。
そしておそろしいことに、個別株投資は場合によっては、人生に取り返しがつかないレベルのダメージを与えてしまう。
あやふやな基準しかないものが、絶対的なショックとして襲いかかる。想像するだけで震えがくる。ある意味、上記を解説している第12章「個別株は買うな――個人投資家を焼き尽くす投資哲学」を読むだけでも、投資に興味のある人が本書を手に取る価値がある。








