「優秀な人材が採れない」と嘆く社長はサイゼリヤを見習え!社員を戦力に変える「逆転の発想」サイゼリヤの値上げはSNSで「批判」ではなく「称賛や労いの声」が殺到している Photo:PIXTA

サイゼリヤが平均6%の値上げをすることが話題だ。公式発表の「当社の努力不足」という謝罪に対して、客側から感謝や労いの声が殺到している。また、値上げ後も「ミラノ風ドリア」が320円と安さを維持し、ワインは100円に据え置き、ビールは390円へ値下げするなどの配慮も称賛されている。人手不足かつ人件費上昇、物価高や円安で度重なるコストアップを要因に、「倒産」のニュースが絶えない中、会社を「存続させる経営者」と「倒産させる経営者」の違いを考察してみたい。(未来調達研究所 坂口孝則)

会社を存続させる経営者と
倒産させる経営者の違いとは

 私は職業柄、さまざまな人と出会う。企業トップも然りだ。「社長」と聞くと一般的にはドンと構えている姿を思い浮かべるだろうが、実際には行動力や柔軟さなどには相当なバラツキがある。

 最近というかもう何年も、「中小企業は優秀な人材を採れない」という悩みをよく聞く。「人手不足倒産」が増えているという話も珍しくなくなった。

 ここで、私が尊敬する経営者の正垣泰彦さんが創業した、サイゼリヤの話をしたい。

 サイゼリヤでは皿を洗うとき、「右手でスポンジを3周回すところまで決めているらしい」というウワサを耳にした。これは、サイゼリヤの「コンマ数秒単位まで動作を分解して測定・改善する」という徹底したマニュアル主義が、誇張されて都市伝説のように伝わったものだろう。

 一方で、こちらは本当の話。サイゼリヤでは、客に提供する「美味しさ」を一方向から捉えるのではなく、「Look」「Aroma」「Taste」「Flavor」「Price」の5つの要素(軸)に細分化して点数化している。こうすることで、誰もが毎日でも食べられる「飽きない美味しさ」を科学的に追求しているという。

 何が言いたいかというと、育成や事業の仕組みさえきちんと整えれば、どんな人材でも一定の水準までは仕事ができるようになる。「優秀な人材を採れない」と嘆く暇があるなら、どのような人材を採っても自社で活躍できるような仕組みを整えた方が早い。

 人手不足かつ人件費上昇、物価高や円安で度重なるコストアップを要因に、中小企業の倒産のニュースが絶えない。そうした中で、会社を「存続させる経営者」と「倒産させる経営者」の違いは何か。