夏休み、子どもに「今日何した?」「宿題は?」と聞いても、返ってくるのは「うん」「まだ」ばかり。「うちの子、ちゃんと自分の考えを言葉にできる?」と不安になる親もいるでしょう。でも、言語化力を伸ばすのに難しい勉強は必要ありません。『12歳までに身につけたい「ことば」にする力 こども言語化大全』(ダイヤモンド社)の著者が、夏休みだからこそ楽しめる「暑い禁止ゲーム」「怖い話」「宿題の言い訳」を使った、遊び感覚の言語化トレーニングを紹介します。

子どもの言語化力を楽しく伸ばす3つのゲームPhoto: Adobe Stock

夏休みに家族でやってみよう

夏休みも折り返しを迎えました。学校に行かないこの時期、何を聞いても「うん」「まだ」しか答えない子どもに対し、「この子の言語化力は大丈夫?」と心配している親御さんもいるでしょう。今回は、夏時期にぴったりなお題を使って、少し変わった言語化トレーニングを3つ紹介します。

①「暑い」禁止ゲーム

「暑い」という言葉をあえて禁止し、別の言葉で言い換えさせるゲームです。

例:「肌がじりじりする」「アスファルトから湯気が出そう」「セミの声まで暑苦しく聞こえる」

便利なひと言「暑い」を封印すると、子どもは自分の体の感覚(肌・汗・のどの渇き)や、目に見える光景(陽炎・アイスが溶けている様子)を観察し始めます。ひとつの感覚をさまざまな角度から言葉にすることで、語彙力や具体化力が伸びていきます。タイムリーなテーマだからこそ、実感を交えて楽しく言語化することができます。

②怖い話・演出力トレーニング

夏の定番、怪談話。話自体は有名な怪談を借りてもOK。「どうすれば、聞き手をより怖がらせられるか」を考えさせるのがポイントです。

例:同じ「後ろを振り向くと……」という一文でも、間を空けて低い声で言うのと、早口で明るく言うのとでは、伝わる怖さがまったく違います。

「間」「声のトーン」を変えるだけで、聞き手の受け取り方が変わることを体感させましょう。これはプレゼンやスピーチにも通じる、表現力・演出力の土台になります。より怖くなりそうなら、元ネタにとらわれず、より詳細な描写を加えてもいいでしょう。これも具体化力や語彙力の強化につながります。

③宿題の言い訳、論理化トレーニング

夏休み終盤にありがちな「宿題が終わっていない」状況。ここで叱る前に、あえて「なぜ終わらなかったのか」を筋道立てて説明させてみましょう。

例:「7月中は毎日遊ぶ予定を詰め込みすぎた」「読書感想文の本選びに時間がかかった」など、単なる言い訳ではなく、理由を具体的に分解して話させます。

ポイントは、言い訳を頭ごなしに否定しないこと。「なぜ」を筋道立てて説明する行為そのものが、原因分析力・論理構成力のトレーニングになります。うまく説明できた子には、「じゃあ、これからどうする?」と、この先の行動まで言語化させると、「宿題完遂」へ向けた行動にもつながりやすく一石二鳥です。

机に座って国語ドリルや漢字ドリルをすることだけが、言語化トレーニングではありません。夏休みならではの題材で、子どもの言語化を上手に促していきましょう。