これ仕事なんですケド…親身な看護に対する「失礼すぎる誤解」〈風、薫る第106回〉『風、薫る』第106回より 写真提供:NHK

今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラに関する著書を2冊出版し、毎日レビューを続けて12年めの著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」「誰かと話したくなる」連載です。本日は第106回(2026年8月24日放送)「風、薫る」レビューです。

直美、妊娠する

 第22週「明るい未来」。演出は橋本万葉、門脇陸、高橋実香(高は「はしごだか」)で、今週も脚本協力に佃良太が入っている。そして演出家が3人連名。後半になると、ベテランと若手のふたり連名はよくあるが、3人は珍しい。

 日清戦争がはじまって3カ月。日本は連戦連勝で、吾郎(甲斐翔真)はまだ出征していない。

 軍服のボタンがすぐとれるという、実にたわいない話題の平和的な時間が小川家には流れている。

 なぜ、すぐボタンがとれるのかと直美(上坂樹里)に追及され、「埴生の宿」を鼻歌で歌ってごまかす吾郎。

 この一連のやりとりのときの吾郎の表情の変化が興味をそそる。

 結婚する前、直美を追いかけていたときは、忠犬のような顔ばかりで直美を見つめていたが、結婚したら、表情にバリエーションが出てきた。

 主題歌明け、直美が妊娠していることがわかる。

 気づいたのはりん(見上愛)。「おめでとう」「小川さんもきっと喜ぶ」

 このときのりんは、しのぶ(木越明)の妊娠を知ったとき(第102回)とはまったく表情が違う。まさか、このときのために喜ぶパターンをとっておいたのだろうか。

 夜、吾郎が帰ってくる。今日のご飯の支度は直美がやっているが、ご飯のニオイが気になる様子。

 でも懐妊の話をまだ言えない。なぜ言えないのか。気になる。

 別の日、多江(生田絵梨花)から手紙がりんたちに届く。

 多江は、広島の軍の外科病棟で勤務するなかで、思わぬ事態に出くわしていた。これを「事態と戦う」と多江が表現しているのは、自分もまたある意味、戦争をしているのだという思いの現れであろうか。