上司に優しくされた部下が陰で漏らした“まさかのひと言”とは? Photo:PIXTA
「ハラスメントだと言われたくない」「部下を傷つけたくない」部下を持つマネジャーの多くは、心のどこかでこういった“見えないブレーキ”を踏みながら仕事をしているのではないでしょうか。でもある日、気づいたことがあります。部下への過剰なまでの配慮が、組織をじわじわ停滞させ、部下の成長の芽まで摘んでいるのでは……?今回は、私自身の「良かれと思ってやらかした話」を入口に、マネジメントの本丸ともいえる「伝え方」について、お伝えいたしましょう。(アチーブメント取締役営業本部長 橋本拓也)
「優しくていい上司」を
演じ続けた末路
これは、私がマネジャーとしていちばん苦しんでいた時期の話です。
当時の私は、とにかく部下に「配慮すること」を最優先にしていました。嫌われたくなかったのです。
体調が悪そうなメンバーがいれば、「無理しなくていいよ、早く帰りなよ」と声をかける。仕事が終わらないメンバーがいれば、「大丈夫、残りは私がやっておくから」と引き取る。ミスがあっても、深く踏み込まずに流してしまう。
当時は「優しくていい上司」でいようと最善を尽くしていました。実際に「これでメンバーは少し楽になるはずだ」「感謝され信頼されるはずだ」と思い込んでいたのです。
ところが現実は、私の期待と逆の方向へと進んでいきました。チームの成果は一向に上がらない。仕事はどんどん私のところに集まってくる。気がつけば、私だけ残業時間がどんどん積み上がっていく……。
そしてある日、退職を決めたメンバーから人づてに、こんな言葉が私の耳に届きました。
「橋本さんからは期待されていない気がする。あきらめられているように感じる」
びっくりしました。良かれと思って差し出していた手が、部下からは「成長の機会を奪う手」「あきらめられた合図」として受け取られていたのです。
部下を思っての行動が、これ以上ないくらい深い誤解を生んでいたのです。これはもう、衝撃でした。
では、なぜ私の“優しさ”は、こんなにも裏目に出てしまったのでしょうか。







