
世界中で飲まれている「コカ・コーラ」は、どのように誕生したのでしょうか。500人以上の成功者が財産を築いた秘密が記されている世界的ベストセラー『Think and Grow Rich』の改題・新訳『巨富を築く思考法』の監訳を務めた筆者が解説します。(アチーブメントグループCEO 青木仁志)
なぜ「コカ・コーラ」は誕生したのか
なぜ、「コカ・コーラ」が誕生したのか、ご存じでしょうか? 物語は19世紀末、米ジョージア州の田舎町で、老医師ジョン・ペンバートンが画期的な飲み物を発明したことから始まります。
当時、気分を高揚させるとして人気だった植物「コカ」の成分を、ワインに溶かし込んだその薬用ドリンクは、多くの人に愛されました。しかし、世は禁酒運動の真っただ中。米国ではアルコールの製造、販売、輸送を禁止する禁酒法が施行されました(1920年~1933年)。
逆風を受けたペンバートンは、アルコールの代わりに炭酸水を使うレシピを考案します。こうして1886年、「おいしく、リフレッシュでき、爽快な薬用ドリンク」として、「コカ・コーラ」が誕生したのです。
まさに世紀の発明です。しかし、歴史のいたずらか、ペンバートンはこの発明の権利を、ふと立ち寄った薬局の若い薬剤師、エイサ・キャンドラーにわずか500ドルで譲り渡してしまいます。
ペンバートンが売ったのは、単なる「レシピ」というアイデア。一方、キャンドラーが買ったのは、未来の「世界企業」の種でした。キャンドラーは、ペンバートンが持たなかった“ある力”で、この500ドルのアイデアを世界ブランドへと育て上げます。
さて、“ある力”とは、何でしょうか?