職場で「約束を守らない人だ」と思われてしまう行為・ワースト1Photo: Adobe Stock

能力や実績には自信があるのに、なぜか大きな仕事を任せてもらえないと悩んでいないだろうか? 実は、真面目な人ほど無意識にやっている「ある小さな行為」が、信頼を損ねる原因となっていた。本記事では、評価と行動の関係を科学的に解明した『会社から期待されている人の習慣115』をもとに、職場での信頼の築き方について解説する。(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)

職場で「約束を守らない人だ」と思われてしまう行為

「すみません、ちょっとだけいいですか?」

職場で同僚からそう声をかけられ、「いいですよ」と手を止めたときのことだ。

相手は「1分で終わりますので!」と恐縮した様子だった。

ところが、話し始めた途端……

「実は先週の会議で◯◯さんが言っていた件なんですけど、前後の文脈としてはこういう背景がありまして…」
「で、自分の個人的な考えとしてはA案が良いと思うんですけど、でもB案の懸念も捨てきれなくて…」

と、あれもこれもと話が際限なく膨らんでいく。

時計を見ると、すでに15分が経過していた。

相手は「あ、長くなっちゃってすみません!」と言って席に戻っていったが、手元に残ったのは急ぎの作業が中断された徒労感だけだった。

「すぐ終わる」「1分だけ」と言いながら、相手の時間を無意識に奪ってしまう人。

悪気はないのだろうが、こういうことが何度も続くと、どうしても「あの人の言葉はあまり真に受けない方がいいな」「また長くなりそうだから後回しにしよう」と思ってしまうのではないだろうか。

能力や実績以前に、「約束を守らない人」という印象が残ってしまう。

「1分」を守れる人は、1%しかいない

では、職場で周囲から「この人は本当に信頼できる」と絶賛され、重要な仕事を任される人は、一体何が違うのだろうか。

『会社から期待されている人の習慣115』という本に、こんな衝撃的なデータがある。

上司や同僚に「いま、1分だけいいですか?」と言って相談することがありますよね。2万8,000人の会話データをAIで分析した結果、期待されている人たちは61%という高い割合で本当に1分で相談を終えていました。
 

「1分って言ったんだから、当たり前じゃん」と思うでしょうか。ですが多くの人は、短く済むと前置きしておきながら、話し始めるとあれもこれもと話が膨らみ、相手の時間を無自覚に奪ってしまうものです。
 

実際、先ほどの調査では、一般社員の「1分だけ」が本当に1分で終わる確率は1%未満でした。
(越川慎司著『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より)

「1分だけいいですか?」と言って、本当に1分で話を終えられる一般社員は、なんと1%以下しか存在しないのだ。

多くの人は、「短く済ませます」と言いながらも、無意識に相手の時間という貴重な資産を奪っている。

一方で、社内で圧倒的な信頼を集めて出世していく人たちは、「1分」という小さな約束を寸分の狂いもなく守り切っていたのだ。

「1分だけ」と言ったら、本当に1分で終わらせる。

そんな小さな約束を守り続けられる人こそが、周囲から「この人なら安心だ」と信頼され、最終的に大きなチャンスを掴み取っていたのである。

越川慎司(こしかわ・しんじ)
株式会社クロスリバー 代表取締役社長
日系通信会社や外資ベンチャーなどを経て2005年にマイクロソフト米国本社へ入社。その後、日本マイクロソフトの役員としてExcelやPowerPointなどの事業責任者を務める。2017年には週休3日・複業を実践する会社、株式会社クロスリバーを設立し、800社以上の働き方改革を支援。年300回以上提供する企業向けオンライン講座の受講者満足度は平均96%、行動に移す受講者は95%以上。著書は『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)や、『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など33冊、累計130万部。NHK、TBS、テレビ東京、PIVOT、NewsPicksやReHacQなどメディア出演多数。