「また締切に間に合わなかった」「今日中のはずが、明日に延びてしまった」。職場で何度も期限に遅れる人を見ると、仕事が遅い、要領が悪いと思ってしまいがちです。しかし、同じ仕事をしていても、いつも予定どおりに終わらせる人もいます。この違いは、どこから生まれるのでしょうか。書籍『「今日も仕事が終わらなかった」はなぜ起きるのか? 仕事が3倍速くなる計画・実行・中断の技術』から、締切を守る人と遅れる人を分けるポイントを紹介します。

職場にいる「仕事ができない人」の特徴Photo: Adobe Stock

締切に遅れる人は「適当に期限を決める」

締切に遅れる人は、仕事を頼まれると「3日あれば終わるだろう」「今日一日使えば大丈夫」と考えがちです。しかし、その3日間で何をするのか、本当に3日間で最後までたどり着けるのかまでは確認できていません。それでも「金曜日までに出します」と上司や取引先に伝えれば、その瞬間に「金曜日」が期限になります。

書籍『「今日も仕事が終わらなかった」はなぜ起きるのか?』でも、

「どれほど適当な見積もりでも、上司やお客さんに伝えていれば、それは『期限』になります」

と指摘されています。根拠のない見積もりが、そのまま守らなければならない約束になってしまうのです。

前から順番に考える

では、どうすれば「本当に終わる期限」を考えられるのでしょうか。そこで必要なのが「脳内リハーサル」です。

例えば、スーパーへのおつかいを頼まれたとしましょう。「牛乳、卵、カレーのルウを買ってきて」と言われたら、まず想像してみるのです。頭の中で一度おつかいに行ってみましょう。「まず家を出る→スーパーまで歩く→牛乳売り場へ行く→卵を取る→カレーのルウを探す→レジに並ぶ→家に帰る」と、自然に前から順番に考えられますね。

仕事も同じです。「資料を作る」という大きな塊のまま考えるのではなく、「資料を確認する→データを集める→構成を作る→本文を書く→上司に確認してもらう→修正する」と、前からステップ・バイ・ステップに進めます。そうすれば、必要な作業が具体的に見えてきます。

頭の中で一度、締切まで進めてみる

書籍『「今日も仕事が終わらなかった」はなぜ起きるのか?』には、こんな言葉があります。

「頭の中で1回仕事を終わらせておくことで、『どうすれば最後の状態を実現できるか』を先にイメージするのです。」

例えば、営業で初めて訪れる会社に13時のアポイントが入っていたとします。「13時に先方へ行く」とだけ考えるのではなく、頭の中で前から順番に進めてみます。「会社を出る→駅まで歩く→電車に乗る→最寄り駅で降りる→先方のオフィスまで歩く→受付をする→担当者に取り次いでもらう」。ここまで脳内リハーサルすれば、電車に乗っている時間だけではなく、駅までの移動や受付にも時間が必要だとわかります。すると、「13時のアポイントだから、12時40分に着けばいい」ではなく、「受付なども考えると、12時50分には先方のオフィスに着いていたい。そのためには12時10分には会社を出よう」と、具体的な計画を立てられます。

仕事ができる人は、先に頭で仕事を終わらせている

「金曜日までにできます」と口にするのは簡単です。しかし、一度伝えてしまえば、それがどれだけ適当な見積もりから生まれた日付でも「期限」になります。

だからこそ、仕事ができる人は期限を決める前に、頭の中で「最初にこれ、その次にこれ」と前から順番に仕事を進めます。そして、本当にゴールまでたどり着けることを確認してから、「この日までに終わります」と伝えるのです。

「やってみたら間に合わなかった」を繰り返すなら、作業スピードを疑う前に、期限を決める前の計画を見直してみてください。現実で締切を守るためには、まず頭の中で一度、その仕事を終わらせておくことが大切なのです。