
捨松、広島へ。多江の助っ人になる。
捨松が何を考えたかは、いったん、直美と吾郎(甲斐翔真)のシーンになったあとでわかる。捨松は広島の軍の病院に慰問にやって来て、そこでファイターの能力を発揮する。
白いドレスの小松宮妃(魏涼子)に捨松は付き従うようにしている。
「左腕はいかがですか?」「大事にするように」。小松宮妃の話し方はいかにも皇族らしい。磯部(友永杏慈)はなんともありませんと言いながら、腕が震えていることを多江は見逃さない。
心配する多江に、また周囲が結託して、からかう。
「よ、ご両人」「お安くないね」
直美たちじゃないが、腹立つ〜。このからかい方はまるで子どもである。
捨松はいったん病室から離れた場所で多江に言う。
「私をうまく使えばいいわ」
再び病室。捨松は「看護婦が親しげに入院中の将兵に話しかけますと、何を新聞に書かれるかわかりませんものね」と先制攻撃というか防御?
「いかにも私は大山の妻ですが、今日は看護婦として来ました」
ここで権力のある大山巌の名前を利用して軍人たちを制圧。
「看護婦は患者を目で見て、手で触れ」「話をして。患者の体調を観察することが大切なんです。無駄話ではありません」と説明。
「看護婦の仕事を妨げることは、お国のため傷を負った将兵の命を軽んじること、ひいてはこの国の国力そのものを落とすことになると、どうか心得てください」
ここで頭ごなしに怒らないことが重要だ。喧嘩腰になったら軍人はまた激昂してしまう。彼らのプライドも損ねないようにあくまで丁寧に、国のためを強調する。捨松の優秀さがわかる場面だ。
磯部は正直にずっと悪寒がしていると申し出る。
「軍人は名誉を重んじると聞きます。どうか、昼夜の別なく患者のために手を動かし、額に汗して働く看護婦たちの名誉も尊重してください」と捨松。
ようやくこれで嫌味な軍人たちもぐうの音も出なくなった。
偏見にまみれた軍人たちの病院。「私はここで戦うあなたを尊敬します」と捨松は多江を労う。
「私はただ一人でも多くの人を助けられたらと思っただけで…」と多江は謙遜。
捨松は英語で「これこそが看護です」と讃えた。
その後、新聞に「戦争病者を救おうと昼夜奮闘。国を支える看護婦たち」という記事が載る。新潟の疫病のときと同じ。世論は急に反転する。多江と捨松は偏見をはねとばし看護婦の名誉を守った。
ここで得られる教訓は、ここぞというときは偉い人を利用することも大事、ということである。へんなプライドは捨てて、利用できるものは利用して、やりたいことを叶えよう。







