――概算要求が、政府の本気度を測る材料になるのですね。

 そうです。仮に昨年とほとんど変わらない概算要求が出てきたら、会社で社長が新しい方針を打ち出したのに、部下がまったく動いていないということです。

 よく、ありますよね。社長が「新しい提案をどんどん出してほしい」と言っても、現場からは「特にありません」と返ってくることが。

――確かに(笑)

 ですから各省庁から、どのような概算要求が出てくるのか。まずは8月末が大きな注目点です。

 骨太の方針に沿って、複数年度にわたる予算措置を求め、政府が一歩前へ出て成長投資を促す。そのために、昨年の1.5倍、2倍という規模の予算要求が出てくれば、政府の本気度は伝わります。

 ただ、その次に問題となるのが、マーケットがそれをどう評価するかです。

――積極的な予算要求が、必ずしも好意的に受け止められるとは限らないということですね。

 そうです。概算要求を見て、「骨太の方針に沿って、政府が本気で成長投資を進めようとしている」と受け止められれば、株式市場にはプラスに働くかもしれません。

 一方、債券市場では、「日本の財政は大丈夫なのか」と懸念され、国債価格が下落し、金利が急上昇する可能性もあります。

 そういう意味で、8月末は大きな分岐点になると考えています。僕自身、短期的にはかなり警戒しています。

 概算要求に示された予算の数字を見て、マーケットがどう反応するのか。これは非常に難しいところです。

 政府が一歩前へ出て、成長投資を本気で促そうとしていると評価されれば、株価にはプラスになる。一方で、財政への不安が強まれば、債券市場では金利が急上昇するかもしれません。だからこそ、次に出てくる8月末の概算要求は大注目です。

杉村太蔵氏杉村太蔵/1979年、北海道旭川市出身。2004年筑波大学中退。派遣社員から外資系証券会社勤務を経て、2005年9月衆議院議員総選挙当選。現在、テレビ・ラジオ・雑誌などメディアで活動する一方、派遣社員から国会議員、落選して無職からタレントに転身という自身の経験を交えながら「政治・経済」をテーマに語る講演活動を全国で行う。 写真:文藝春秋