J・J・トムソンが考えた「放射」

1897年にジョゼフ・ジョン(J・J)・トムソン卿が電子を発見したことで、ドルトンの理論は一部否定された。

トムソンは、放射(波動(はどう)・粒子・光線の形で伝わるエネルギー)の概念に基づいて考察した。

J・J・トムソンはイギリスの物理学者。電子を発見し、原子の“プラムプディング”モデルを提唱したとされている。

トムソンは電磁放射の理論に基づいて陰極線管(いんきょくせんかん)を組み立て、原子の中には負の電荷を持った粒子(電子)が存在することを証明した。

陰極線管は、ガラス管から空気をほとんど排気して密封したものである。
管の内側には、負の電圧を掛ける陰極と、正の電圧を掛ける陽極(ようきょく)という、2つの電極が備えられている。

【歴代化学者が挑んだ!】人類はどうやって「原子」の正体を探ったのか?

2つの電極のあいだに高電圧をかけると、電子が陰極から陽極に向かって飛んでいく。
トムソンは、その電子1個の電荷と質量の比(比電荷)を決定することに成功した。

現在得られているその値は、

【歴代化学者が挑んだ!】人類はどうやって「原子」の正体を探ったのか?

トムソンは、原子は“カップに入ったプラムプディング”のようなものであって、陽子からなるプディングの中に電子がただ“埋まっている”のだとイメージした。

電子の持つ負の電荷は、陽子の持つ正の電荷と打ち消し合うと考えた。

【歴代化学者が挑んだ!】人類はどうやって「原子」の正体を探ったのか?

「原子核」を名付けたアーネスト・ラザフォード

ニュージーランド出身の物理学者アーネスト・ラザフォードは、放射性粒子を用いた実験によって、トムソンの説をさらに拡張した。

正の電荷を持ったアルファ粒子(陽子2個と中性子2個からなる粒子)を金箔に当てたところ、一部はまっすぐ通過して、一部は跳ね返ってくることに気づいた。

アルファ粒子が跳ね返ってきた原因は何だろうか?

ラザフォードは次のように考察した。

●原子はほとんどが空っぽの空間でできている(だからほとんどのアルファ粒子は金箔を“まっすぐ通過”した)。

●原子の中心には正の電荷が集中している(これが正の電荷を持ったアルファ粒子を“跳ね返した”)。

この2つめの推論は、“同種の電荷どうしは反発し合う”(正の電荷は正の電荷を遠ざける)という原理に基づいている。

正の電荷を持ったアルファ粒子が、同じく正の電荷を持った原子の中心部に衝突したのだろう。ラザフォードはその原子の中心部を原子核と名付けた。

【歴代化学者が挑んだ!】人類はどうやって「原子」の正体を探ったのか?