2016年の発売直後から大きな話題を呼び、中国・ドイツ・韓国・ブラジル・ロシア・ベトナム・ロシアなど世界各国にも広がった「学び直し本」の圧倒的ロングセラーシリーズ「Big Fat Notebook」の日本版が刊行される。本記事では、全世界700万人が感動した同シリーズの数学編『アメリカの中学生が学んでいる 14歳からの数学』より、本文の一部を抜粋・紹介する。
第39章 方程式や不等式を使う文章題
現実の世界でも、方程式や不等式を使って答えを解けるような場面に出くわすことがある。
【例】ジョシュは犬の体重を量ろうとしている。犬はいつも走り回るので、ジョシュは犬を抱いたまま体重計に乗った。合計の体重は175ポンドだった。ジョシュの体重は151ポンド。犬の体重は?
この問題を解くには、示されている場面を方程式または不等式に書き換えなければならない。
[1]どんな演算が使われているかを考える。
ジョシュの体重+犬の体重=合計の体重
[2]わかっていないのはどの量だろうか? それが変数になる。
わかっていない量は犬の体重。それをdで表すことにする。
[3]方程式または不等式を立てる。
151+d=175
[4]その方程式または不等式を解く。
d=175-151
d=24
犬の体重は24ポンド。
文章題ではキーワードに注目する。
「……である」はたいてい「=」という意味
「……よりも大きい」はたいてい「>」という意味
「……よりも小さい」はたいてい「<」という意味
「……以上」はたいてい「≧」という意味
「……以下」はたいてい「≦」という意味
【例】ある洋服屋の店員は、月$800の基本給に加えて、売り上げの20%の歩合給をもらっている。1か月で$1200以上稼ぎたければ、いくら売り上げなければならないか?
[1]わかっていることは何か? 基本給$800と売り上げの20%の歩合給との和が、$1200以上でなければならない。
[2]わかっていないことは何か? 売り上げだ。それをsで表すことにする。
[3]800+0.2s ≧ 1200
[4]800-800+0.2s ≧ 1200-800
s ≧ 2000
この店員が1か月で$1200以上稼ぐには、$2000以上売り上げなければならない。
【例】歴史の科目で「A」の成績を取るには、平均点が90点以上でなければならない。これまでのジュリアンの得点は92点、86点、88点。ジュリアンが「A」を取るには、次のテストで最低何点取らなければならないか?
[わかっていること]平均を求めるには、すべての数を足し合わせてから、数の個数(この場合は4)で割る。平均点が90点以上でなければならないので、不等号「≧」を使う。また、最初の3回のテストの得点はわかっているが、4回目のテストの得点はまだわからないので、それを「 t 」で表すことにする。
t ≧ 94
ジュリアンが「A」の成績を取るには、次のテストで94点以上取らなければならない。
必ず検算をして、「この答えは理にかなっているだろうか」と考えること。この場合はこれで理にかなっている。ジュリアンは80点台の得点を2回取ってしまっているので、平均点を90点(以上)にするには、少なくとも90点台の得点を取る必要があるだろう。
おさらいドリル
[1]ジェレミーがバットとスケートボードを買って$84払った。バットの値段は$33。スケートボードの値段はいくら?
[2]ルーシーがデパートに行って衣料品に$90使った。買ったのは$30のドレスと$12の帽子、そしてジャケット。ジャケットの値段はいくら?
[3]デライラは$7200の中古車を買いたいと思っている。いま$900持っていて、1か月ごとに$450ずつ貯金している。$7200貯まるまでに何か月かかる?
[4]ロバートが、アンディーとスーという2人の生徒の家庭教師をしている。アンディーが払っている月謝は$70。スーが払っている月謝は$50。ロバートが$600稼ぐには何か月家庭教師をしなければならないか?
[5]ある自動車のセールスマンは、月$1400の基本給と、売り上げの5%の歩合給をもらっている。1か月で$4500以上稼ぐには、どれだけ売り上げなければならないか?