逆さ吊りでご飯を食べても、問題なく胃に届く理由を知っているだろうか? 体内では重力に頼らず食べ物を運ぶ「筋肉の運動」や、胃酸の逆流を防ぐ「自動の弁」が24時間休まず動いている。食べ物を消化する「すごすぎる仕組み」を『アメリカの中学生が学んでいる 14歳からの生物学』から分かりやすく解説する。(ダイヤモンド編集局)
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二種類の消化
消化系は食物を取り込んで分解し、栄養分を体内に吸収する。
消化には「機械的消化」と「化学的消化」がある。
機械的消化は、食物を(噛み砕くなどして)バラバラにして表面積を増やしたり、胃で食物をかき回してすり潰したりすることで、化学的消化(酵素を用いる)の効率を上げることだ。
一方、化学的消化は化学反応を促す特別なタンパク質である酵素を使って、食物を分解することである。

逆さまでも胃に届く理由
消化のプロセスを見てみよう。
まず、口の中に入れられた食物が歯によって細かくされ、機械的消化がおこなわれる。
それと同時に、水・粘液・酵素の混合物である唾液が食物に混ざり、化学的消化が始まる。唾液には、細菌などの病原体を殺す物質も含まれている。
そのため唾液は、有害な微生物から身体を守るのに役立っている。
次に、食物を飲み込むと、喉頭蓋によって気管が塞がれて、食道のほうに食物が流れる。食道は筋肉でできていて、さらに内壁が粘液で滑らかになっており、不随意的に収縮・弛緩することで、食物を胃へと押し出す。
このような筋肉の収縮を蠕動運動という。
逆さ吊りにされても食べ物を飲み込めるのは、蠕動運動のおかげだ。
胃酸が逆流しないのはなぜか
そして、食物は食道から、食道括約筋と呼ばれるリング状の筋肉を抜けて胃の中に入る。食物が胃の中に入ると食道括約筋が閉じて、胃酸と、部分的に消化された食物が食道に逆流するのを防ぐ。
次の段階を見てみよう。
胃は筋肉でできた巨大な袋である。
酸と酵素の混合物を使って、食物をもっと小さい分子に分解する化学的消化をおこなうとともに、食物を振り混ぜたり、すり潰したり、かき回したりする機械的消化をおこなう。
消化された食物と胃酸の混合物を、糜粥という。
小腸が「栄養」を限界まで絞り取る仕組み
最後に、食物が十分に消化されると、幽門括約筋が開く。
幽門括約筋は胃と小腸を隔てている。
小腸は入ってきた糜粥から栄養分を吸収し、その栄養分は循環系によって必要な場所に運ばれる。
肝臓・膵臓・胆嚢などの付属器官が、小腸による栄養分の吸収を助けている。
膵臓と胆嚢が分泌する酵素によって、糜粥がさらに化学的に消化され、栄養分が吸収されやすくなる。
肝臓は、小腸から吸収された栄養分を処理するとともに、消化管から流れてきた血液を濾過する。
また、体内に入ってきた化学物質を無毒化する。



