私たちの周りや海の中に広がる無脊椎動物の世界。脊柱を持たない彼らは、実は動物界全体の95%以上を占める圧倒的な多数派です。一見すると動かない植物のように見えるカイメンや、毒のある刺胞で身を守るクラゲやサンゴなど、一味違う構造と生態を持つ彼らがどのように海で生き残り、他の生物と関わっているのか、その不思議なメカニズムを『アメリカの中学生が学んでいる 14歳からの生物学』をもとに紐解きます。(ダイヤモンド編集局)

地球上の動物の95%は「骨がない」? カイメンやクラゲが持つ驚きの生態と賢い生存戦略Photo: Adobe Stock

動物界の95%以上を占める「無脊椎動物」の多様な世界

脊柱を持たない動物を無脊椎動物という。
無脊椎動物は動物界の95%以上を占める。
無脊椎動物の例としては、昆虫・貝・ミミズ・カタツムリ・カイメンなどがある。

無脊椎動物はいくつかのグループに分けられる。
多くの無脊椎動物は海洋環境に棲んでいる。

海綿動物のカイメンは水中に棲み、身体に開いた穴や管から水と栄養分を取り込む。
プランクトンを濾し取って餌にするため、周囲の水がきれいになる。
固着性で移動しないため、かつては植物だと考えられていた。
しかし植物と違ってすべて従属栄養性である。

穴だらけで、濡れるとぐにゃぐにゃし、私たちが身体を洗うのに使うことができる。
カイメンは有性生殖と無性生殖の両方をおこなう。

地球上の動物の95%は「骨がない」? カイメンやクラゲが持つ驚きの生態と賢い生存戦略

毒の針で獲物を捕らえる「刺胞動物」と魚たちの共生関係

刺胞動物は1万種以上生息し、クラゲ・イソギンチャク・ヒドラ・サンゴなどを含む。
この名称は、刺胞と呼ばれる獲物に毒素を注入する特別な細胞を持っていることに由来する。
触手の中にある刺胞を使って獲物を捕らえたり、捕食者から身を守ったりする。
刺胞は近くに来たものに毒素を注入する。

一部の魚は身を守るために刺胞動物の陰に隠れたり、さらにはイソギンチャクやサンゴの中に棲んだりする。
そのような魚は刺胞を巧みに避けているか、または刺胞の毒素に耐性がある。
サンゴの中に棲む魚は、身を守ってもらう代わりに、サンゴの表面に生える海藻を食べてきれいにする。

麻痺を引き起こす毒素

クラゲに刺されると、その毒素のせいでしばらく痛みが続き、しびれることもある。
小型の動物だと、麻痺したり死んだりすることもある。

刺胞動物も有性生殖と無性生殖の両方をおこなう。

有性生殖をおこなう一部の刺胞動物は雌雄同体で、1つの個体が卵子と精子の両方を作ることができる。
しかし自身の生殖細胞どうしで受精することはできないため、2つの親が必要である。