たんぱく質は、筋肉や臓器、ホルモンなど体の材料になる大切な栄養素。現代人は、偏った食生活により、このたんぱく質が不足している人も多いと指摘されるが、摂る量だけでなく、実は「いつ摂るか」もポイントだという。特に「朝食はパンとコーヒーだけ」という人は要注意。朝食時にたんぱく質を摂ることのメリットを、管理栄養士の星穂奈美さんに教えてもらった。
(本稿は書籍『疲れやすいオトナ女子を救う あなたの食習慣を変える100の提案』を一部抜粋・加筆し編集したものです)

ゆで卵Photo: Adobe Stock

たんぱく質は「毎食均等」が基本

「夕食でお肉やお魚をしっかり食べているから大丈夫」と思う方もいるかもしれません。
 しかし例えば、一度の食事で筋肉の合成に使われるたんぱく質の量には、上限があると言われます。夜にまとめて摂っても、すべてが筋肉の材料になるわけではないのです。

 海外のレビュー論文であるため、日本人全てに当てはまるとは言えませんが、たんぱく質は1日3回、均等に摂取するほうが筋肉の合成率が高いことがわかっています(※1)

※1:レジスタンス運動(筋トレ)を行い、筋肉の発達や維持を目指すトレーニング経験者を対象とした治験。
(文献)
Brad Jon Schoenfeld ,Alan Albert Aragon: How much protein can the body use in a single meal for muscle-building? Implications for daily protein distribution. J Int Soc Sports Nutrition. 2018; Feb 27:15:10.

Aoyama S, Kim HK, Hirooka R, Tanaka M, Shimoda T, Chijiki H, et al: Distribution of dietary protein intake in daily meals influences skeletal muscle hypertrophy via the muscle clock. Cell Rep 2021; 36: 109336.

なぜ、朝のたんぱく質が筋肉に重要?

 そこで重要になるのが、朝食でのたんぱく質の摂取です。
 パンやコーヒーだけで済ませがちな朝食にこそ、たんぱく質を意識してプラスすることが大切。朝食にたんぱく質を摂ることは、筋肉量の維持や増加に直結すると言われています。

 私たち日本人は朝食におけるたんぱく質の摂取量が少ない傾向にあると言われ、令和6年度の国民健康・栄養調査によると(※2)、男女ともに20代~30代の朝食の欠食率は高い水準にあることがわかっています。意識をして朝食、そしてたんぱく質を摂る必要があると言えるでしょう。

 また、高齢者を対象とした研究では、夕食に偏ってたんぱく質を摂る人より、朝食からもしっかり摂る人のほうが筋力が高く、サルコペニア(※3)の予防にも効果的と言われています。

※2:健康増進法に基づき厚生労働省が毎年11月に実施している国の統計調査。
※3:加齢や疾患などに伴って筋肉量や筋力が低下する状態のこと。
(文献)Kinoshita K, Satake S, Murotani K, Li J, Yasuoka M, Arai H: Breakfast skipping and frailty: A crosssectional study in community-dwellers aged 75years or over. Geriatr Gerontol Int 2023; 23: 60-62.

忙しい朝でもおすすめな「朝たんぱく質」食材

 毎朝調理するのが大変な場合は、そのまま食べられる手軽な食材を上手に活用してみましょう。
 おすすめの食材をご紹介します。

◎卵・乳製品:ゆで卵、プロセスチーズ、高たんぱくヨーグルト、牛乳など
◎大豆製品:納豆、豆腐、豆乳など
◎その他:ツナ缶やサバ缶、サラダチキン、ちくわ、魚肉ソーセージなど