会社でもっと評価されたい。市場価値を高めたい――。仕事に打ち込んできた人ほど、そんな目標を持つのは自然なことだ。だが、人生も後半に差しかかると、ふと「この先も、これを追い続けていいのだろうか」と考える瞬間がやってくる。仕事も人生も後悔しないための指南書『仕事・人間関係で損する人、得する人』(伊庭正康著)より、人生後半で本当に大切にしたいことを紹介する。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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「本当になりたい姿って、これだっけ?」
「市場価値を高めよう」
こんなフレーズをよく耳にします。
役職を上げることも、その手段のひとつ。もちろん悪くはありません。
しかし、ここに落とし穴があります。
市場価値を高めることを「目的」にしてしまうと、なんのために高めるのかが見えなくなるのです。
市場価値を上げることは、あくまで手段です。
学びが増え、チャンスをつかみやすくなり、選択肢が広がる。それは確かです。
しかしあるタイミングから、その発想だけでは行き詰まることは知っておいたほうがいいでしょう。
30代後半、遅くとも50代で、多くの人があるジレンマに直面します。
「で、本当になりたい姿って、これだっけ?」
「本当にしたいことは何か」
研修の休憩時間、30~40代の受講者と話していると、感心することがあります。
キャリアの「方向性」をすでに持っている人が、思った以上に多いのです。
割合にすると3~4割。たとえばこんな声です。
・「いつかは、日本と海外の二拠点生活をしたい」
・「サーフィン三昧の生活を、いつかは」
・「田舎暮らしで、ゆっくり生きたい」
・「時間に縛られない働き方をしたい」
・「学校に行けない子どもたちの支援をしたい」
・「経営者になりたい」
高い役職についても、心が満たされるわけではない
私も50代になり、人生の「中間決算」を意識する年齢になりました。
周囲を見渡すと、どんなに高い役職についていても、どこか満たされない思いを抱えている人は少なくありません。
・「役職定年で、もはや閑職だよ……」(メーカー・元事業部長)
・「もうすぐ定年。年金では足りないし、働くしかない」(スーパー・課長)
一方で、ますます活力がみなぎっている人もいます。
・「別荘を建てたんだ。今度、遊びに来てよ!」(人材会社・社員)
・「なかなか辞めさせてくれない。また事業を任された」(メディア会社・役員)
時間は加速度的に過ぎていく。20年、30年後の理想を思い描こう
今20~ 30代の方の場合、「50代なんてまだ先」と思っているかもしれません。
でも、思っている以上に、あっという間です。
40代からの時間は、ワープしている感覚に近い。高速道路どころではありません。
役職に就く価値は、確かにあります。
しかしそれは「役割」であって、自分の将来を決める「チケット」ではありません。
10年後、20年後の理想を、今から描いておきましょう。
そのスピードに飲み込まれないために。








