また、1日の流れを決めておくことも有効です。例えば、午前中は深く考える仕事、昼食後は軽めの確認作業、夕方からは翌日以降の準備、退社前の1時間は、やり残した仕事を片づける時間にする。このように1日の流れを決めておくと、毎日の気分の波に振り回されにくくなります。

 もちろん、予定どおりにいかない日もあるでしょう。急な会議が入ることもあれば、思わぬトラブルが起こることもあります。大切なのは、流れを完璧に守り抜くことではありません。「元に戻るスイッチ」を持っておくことです。

 ルーティンがない人は、毎日が「出たとこ勝負」になります。気分がよければ動けるけれど、気分が沈むと何も進まない。食事や睡眠の時間も日によってまちまち。すると、自律神経のバランスは乱れ、メンタルはどんどん不安定になります。

 ルーティンを持っておくだけで、多少気分が揺らいでも、いつものコンディションに戻りやすくなります。

 気持ちが乗らなくても、まず水を飲む。机の上を整える。最初の1つの仕事にだけ手をつける。そうして「いつもの流れ」に体をゆだねていくうちに、心も少しずつついてくるのです。

「目覚めの1杯の水」で
心が活動モードに変わる

 朝起きたとき、必ず習慣化したいのが、1杯の水を飲むことです。

「水を飲むことが、メンタルにどう作用するのか」と疑問に思う人もいるかもしれません。しかし、朝の1杯の水は、体を活動モードに切り替えるための、とてもシンプルで効果的な習慣です。

 人は眠っている間にも汗をかき、たくさんの水分を失っています。朝起きたときの体は、自分で感じる以上に水分不足の状態なのです。

 水分が足りなければ、血流は悪くなり、脳にも十分な酸素や栄養が届きにくくなります。すると、頭がぼんやりする、だるい、気持ちが前に向かないといった状態が起こりやすくなります。これが、メンタルに「目覚めの1杯の水」が効くメカニズムです。

『メンタルは肉体が9割』書影メンタルは肉体が9割』(小林弘幸 宝島社)

 また、水が体に入ると、胃腸が刺激されます。特に、空っぽの胃に水が入ることで腸が反応し、ぜん動運動が促されます。腸が動き始めると、副交感神経が徐々に高まっていき、自律神経のバランスが整いやすくなるのです。

 腸は自律神経と深く関わっている臓器です。腸が動けば、体の内側から「今日の活動が始まる」というスイッチが入りやすくなります。朝の水は、単にのどの渇きを潤すだけではありません。眠っていた胃腸を起こし、血流を促し、体全体を活動へ向かわせるきっかけになるのです。

 このとき大切なのは、一気に大量の水をガブガブと飲むことではありません。常温の水を、コップ1杯程度、ゆっくり飲む。それで十分です。冷たすぎる水は、胃腸に負担をかけることがありますので、朝の体をやさしく起こすイメージで、無理なく飲むことが大切です。