写真はイメージです Photo:PIXTA
やる気が出ない。不安で動けない。つい先延ばしにしてしまう――。そんなときに役立つのが、体を動かすための「ルーティン」だ。大谷翔平選手も実践する「決まった動き」は、なぜ心の安定につながるのだろうか。※本稿は、順天堂大学医学部特任教授の小林弘幸『メンタルは肉体が9割』(宝島社)の一部を抜粋・編集したものです。
ルーティンをつくれば
メンタルが安定する
毎日淡々とこなすルーティンがあると、メンタルは安定します。
ルーティンとは、決められた手順や日課のことです。朝起きたら水を飲む。決まった時間に朝食をとる。出社したら最初にメールを確認する。仕事を始める前に机の上を整える。寝る前に軽くストレッチをする。こうした小さな行動の積み重ねが、心の安定につながります。
ルーティンがメンタルを安定させる理由は、「迷い」や「不安」を減らしてくれるからです。
人は、何をするか決まっていないときに、想像以上にエネルギーを消費しています。朝起きてから「何を食べようか」「何から始めようか」「どんな服を着て出かけようか」と毎回考えていると、それだけで脳には疲れがたまっていきます。一つひとつは小さな決断であっても、それがいくつも重なると、交感神経が高まりやすくなります。
反対に、いつもの流れが決まっていると、余計な決断をしなくて済み、体が自然に動いて心にも余裕が生まれます。
決まった動きで
心を整えるアスリートたち
特にスポーツの世界では、ルーティンの重要性が高く評価されています。
例えば、ロサンゼルス・ドジャースの大谷翔平選手が打席に入ったとき、バットを地面に寝かせるようにして、打席内での立ち位置を整える動作はおなじみの光景です。このように一流の選手ほど、試合前後や試合中に、同じ動作を繰り返します。
決まった順番で準備をする。決まったタイミングで呼吸を整える。いつもと同じ動きでプレーに入る。そうすることで、どんなに緊迫した場面でも、体や心をいつもの状態に戻しやすくしているのです。
これは、ビジネスパーソンも同じように取り入れるべきだと、私は思います。
あらかじめ決めておいた行動を、毎回同じように行うだけで、体は「いつもの流れだ」と受け取ります。体がいつもの流れに入ると、自律神経も乱れにくくなります。
特に、メンタルが不安定なときほど、人は気分に振り回されてしまいます。やる気が出ないから始められない。不安だから動けない。考えがまとまらないから先延ばしにする。そんなときに「気持ちが整ってから動こう」としても、なかなか動き出せません。
だからこそ、先に体を動かすためのスイッチを決めておくのです。「仕事を始めるときは、まずは机の上を拭く」「メールを書く前に、結論を一行だけメモする」「昼食のあとにはコーヒーを飲む」など、どれも簡単なことですが、決めておけば、気分に関係なく実行できます。







