「今日中に送ります」と言ったのに送らない。「あとで確認します」と言ったまま忘れている。こうした小さな約束破りが続くと、職場では少しずつ信用を失っていきます。悪気はないのに、なぜ何度も約束を破ってしまうのでしょうか。書籍『「今日も仕事が終わらなかった」はなぜ起きるのか? 仕事が3倍速くなる計画・実行・中断の技術』から、その原因を考えます。
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「適当な見積もり」が、そのまま約束になる
まず「計画」の段階です。例えば上司から「この資料、いつできますか?」と聞かれて、「明日にはできます」と答える。しかし、その「明日」に根拠はありません。「これくらいなら一日でいけそう」という感覚だけで答えています。ところが、本人にとっては軽い見積もりでも、相手に伝えた瞬間、それは約束になります。
本当は、必要な作業を洗い出し、それぞれにどれくらい時間がかかるのかを考えてから期日を伝えるべきです。しかし、それをせずに「たぶん明日」「今日中には」と口にしてしまう。
本人としては「見積もりが外れた」だけでも、相手から見れば「約束を破った」ことになります。約束を守れない人は、約束したあとだけに問題があるのではありません。そもそも、守れるかどうかを考える前に約束してしまっているのです。
「あとでやろう」は、切り替えた瞬間に忘れる
次に「実行」の段階です。仕事中に「これ、あとで確認しておいて」と頼まれ、「わかりました」と答える。その瞬間は覚えています。しかし、すぐにメールへ戻り、チャットが来て返信し、別の資料を開き、電話にも対応する。こうして次々と仕事を切り替えているうちに、「あとで確認する」という約束が頭から抜け落ちてしまいます。
人は複数の仕事を同時に進めているように見えても、実際には一つの仕事から別の仕事へと切り替えています。切り替えが増えるほど、頭の中では次々と別の情報を扱わなければなりません。「あとでやろう」と頭だけで覚えておこうとしても、必ず忘れます。
「前に何を話したか」を忘れるのも同じ
そして「中断」の段階でも、約束は失われます。例えば、ある案件について上司と話し合い、「次はこの方向で進めよう」と決めたとします。その後、別の仕事に追われて数日間その案件に触れず、再び打ち合わせになったとき、「前回、どこまで話しましたっけ?」となってしまいます。
問題は、単純に記憶力が悪いことではありません。中断するときに、その時点で考えていたことを保存していないのです。
「約束を破る人」は、3つの場面でムダが起きている
いつも約束を破ってしまう人には、仕事の進め方に共通点があります。
・計画では、感覚で「今日中にできます」「金曜日までにできます」と適当な見積もりを出してしまう。しかし、どれほど適当な見積もりでも、人に伝えれば、それは「期限」になります。
・実行では、メール、チャット、資料作成など、仕事の「切り替え」が多くなり、「あとでやろう」と思っていたことを忘れてしまう。
・中断では、そのときに考えていたことを残さないため、仕事を再開したときに「前に何を話していたっけ」「どこまで決めたんだっけ」と思い出すところから始めることになる。
計画では「適当な見積もり」をしない。実行では「切り替え」を減らす。中断では「考えていたこと」を残す。
この3つが、仕事上の約束を守るために重要なのです。






