しかし、実際に現場を歩いてみると、2つの信号がいっぺんに止まり、案外渡りやすい道路でした。現場を歩いてみなければわからないことがあるんだなと改めて思いました。

 初期の頃は出店でも負け組でした。無名だった私たちは、いい物件をファミリーマートやカレーハウスCoCo壱番屋などに持っていかれていました。この町に立ち食いそばはいらないと言われたこともある。でも今は違います。ゆで太郎を知らない大家さんはいませんから、ずいぶん楽になりました。

 しかし、大事なのは、土地を見る目ができたことです。人がたくさん通る道を選ぶのではなく、うちのお客様が通る道を選ぶ。その視点を持ち続けた結果、需要がある場所を見つける力を獲得したのです。

目的地と同じ方向なら
距離が遠くても寄ってくれる

 ロードサイドの商圏は広いと言われています。弁当屋でも7キロを基本にしていましたが、ゆで太郎は7キロだとバッティングしてお客様が減ってしまいました。その経験から、「15キロ」を基準にするようになりました。

 なぜそんなに商圏が広いのでしょうか。それは車で来るお客様は、目的地に向かう途中でゆで太郎に寄るからです。

 運転手さんが「お腹が空いたなあ」と思ったら、目的地と同じ方向にある店なら、距離が遠くても寄ってくれます。5キロでも、10キロでも、15キロでも走って来てくれます。

 その点がテイクアウトの弁当屋とは根本的に違います。弁当屋は一定エリアの人が買いに来て持ち帰る商売ですが、ゆで太郎はその場で食べるレストランですから、目的を持って遠くから来てくれるのです。

 ただ、商圏が広いからといって、遠回りはしてくれません。目的地に向かう道路に面していることが前提です。そのため、同一路線上の出店間隔には厳しい基準を設けています。逆に、違う道ならば店舗同士の距離が7キロでも問題ありません。