Photo by Yoshihisa Wada
まん福ホールディングスは食に特化した事業承継プラットフォームの構築を目指し、2021年4月に設立された。現在まで、国内14社と海外1社の事業を承継。全国四つのエリアで“共和国”を立ち上げるモデルで傘下企業を増やしている。連載『外食バトルロイヤル』の本稿では、同社を率いる加藤智治社長CEOに、創業の経緯と今後の戦略などについて、話を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男)
食分野に特化しグループ化
事業承継の課題解決を目指す
――加藤智治社長は金融業界からキャリアをスタートさせて、戦略コンサルティング会社にも在籍されました。どのような経緯でまん福ホールディングスを創業されたのか、教えてください。
20代の頃は外資系の金融機関とコンサルティング会社にいたのですが、そのときに事業会社の経営にチャレンジしたいと思い、実際に、20代後半から3回、経営に携わりました。最初がフィールズのグループ会社の取締役、その後にスシロー、40歳のときにスーパースポーツゼビオを展開しているゼビオの社長を務めました。
さまざまな経営者の方々にお会いしましたが、やはり “ゼロイチ”で事業を立ち上げられた創業者の方は、経営者として本当に魅力的で、自分もいつか創業してみたいと思うようになりました。それで起業を決意しました。
じゃあ何をやるか。そこで、自分がこれまでやってきた経験が生かせて、かつ社会的な意義があること、自分がやりたいと思うこと、Will-Can-Mustで考えました。事業承継は、少子高齢化が進む日本で大きな課題になっています。これを自分が経験してきたことを生かして、解決できないかと考えるようになりました。
そこである投資家の方から、米国でダナハーという会社があることを教えてもらいました。業界に特化して、400社以上の企業を買収しているコングロマリットで、こういう会社は日本ではまだ少ないので、食の産業でやってみたらどうかと提案を受けたんです。
これだと思って、後継者がいない中小企業をわれわれがバイ・アンド・ホールド(長期保有)でグループ化して、1社では生き残るのが難しい企業が集まって、未来に向けて事業を残していくモデルをやってみようと決意し、起業しました。
――PEファンドのように、買収して再生し、エグジットするモデルは考えなかったのでしょうか。外食産業は一般的に、収益性も高くはありません。
PEファンドは、もうすでに日本にはたくさんありますし、1990年代からすでに30年程度の歴史があります。ファンドの形態を採るより、新しい仕組みを作っていきたいと思ったのです。
まん福ホールディングスはこれまで、”バイ・アンド・ホールド”の方針の下で合計15社の食関連企業を買収してきた。では買収された企業は、グループ内でどのようなシナジーが得られるのか。株式を売却したオーナー経営者は、どのように遇されるのか。特徴である”共和国”による傘下企業の統治手法なども含め、さらに詳しく話を聞いた。







