すると、箸で持った時に3分の1と3分の2くらいの位置で自然につまめる長さが、一番食べやすいことがわかりました。試作と検証を重ねてたどり着いたのが、現在の37センチです。町そばより少し長く、立ち食いそばより少し短い。その絶妙な長さが、一番食べやすかったのです。
もちろん、お客様の多くはそんなことに気づきません。でも、それでいいと思っています。持ちやすい、すすりやすい、食べやすい。そう感じてもらえれば十分です。
「一杯だけ120点」より
「毎日90点以上」を目指す
私がこれまで慣習を変えてきた基準は、いつも同じです。お客様にとって、本当に良くなるかどうか。
美味しいことはもちろん大前提ですが、小さな改善を積み重ねて、少しずつ完成度を上げていきたい。その積み重ねが、チェーン店の品質を支えていきます。
『ゆで太郎の儲かる仕組み 22年連続黒字を支えるがっちり経営術』(池田智昭 ワニブックス)
チェーン店で一番怖いのは、味や品質がブレることです。一杯だけ120点のそばを作ることに意味はありません。毎日、全国どこの店でも90点以上のそばを提供できることの方が、ずっと大切です。
麺の長さを37センチに統一したのも、そのためでした。そば屋の伝統から見れば、「そんなことを気にしても意味がない」と思われるかもしれません。しかし、お客様にとって食べやすくなるのであれば、変えない理由はありません。
100年続いているものには理由があります。その価値は尊重すべきです。でも、「昔からそうだから」という理由だけで続いているものもあります。
私たちは、その違いを見極めたいのです。常識を疑い、美味しさと再現性、そしてお客様の満足につながるのであれば、迷わず変える。そばを37センチにしたことは、その象徴に過ぎません。







