仕事で目が重いとき、温かいアイマスクと冷たいアイマスク、どちらを使えばいいのでしょうか。『100歳アイ』(伊勢屋貴史著)の著者で老眼対策を専門とする眼科医・伊勢屋貴史さんによれば、疲れ目なら基本は「温める」。ただし、充血や腫れには「冷やす」。意外と知らない使い分けを聞きました。
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疲れ目なら、基本的には「温める」
――目が疲れたとき、市販の温かいアイマスクと冷たいアイマスクがありますよね。結局、どちらが正解なんでしょうか。
伊勢屋貴史(以下、伊勢屋) 疲れ目への対策という意味では、基本的には温めるほうがおすすめです。
――冷やすほうではないんですね。
伊勢屋 目の周辺を温めると血行を促すことができます。また、まぶたには「マイボーム腺」という油分を分泌する組織があるのですが、温めることで油分が出やすくなり、目の表面が乾燥しにくくなります。
逆に冷やすと、血流や油分の分泌という点では逆方向に働きます。ですから、「一日パソコンを使って目が疲れた」というようなときは、温めるといいですね。
――では、冷たいアイマスクは使わないほうがいい?
伊勢屋 いえ、そういうわけではありません。目が充血していたり、腫れぼったくなっていたりする場合には、冷やすことで見た目や不快感を和らげられることがあります。
どちらが絶対に正しいという話ではなく、目的が違うんです。
手のひらを10~15回こすって、目に1分
――道具を使わずに温める方法はありますか。
伊勢屋 あります。私は「手のひらホッとヒーリング」と呼んでいます。
まず、清潔な両手のひらを10~15回こすり合わせてください。摩擦で手を温めます。手が温まったら目を閉じて、左右の目の上に手のひらを置く。そのまま1分ほどです。
――それだけ?
伊勢屋 それだけです。でも、やってみてください。
――ああ、温かい。気持ちいいですね。ちょっとあくびが出そうです。
伊勢屋 でしょう? 温めることで目の周辺の筋肉の血行を促せますし、先ほどお話ししたマイボーム腺にも働きかけられます。
さらに、手のひらで目を覆うと、視界が真っ暗になります。目から入ってくる情報もいったん減ります。
――温かさと暗さの一石二鳥。
伊勢屋 いえ、実はもう一つあります。
「手のひらって、こんなに柔らかかったんだ」
伊勢屋 今、目に当てている手のひらをどう感じますか。
――柔らかいですね。手のひらって、こんなにふわっとしていたんだと思います。
伊勢屋 その柔らかいものに触れる感覚も、リラックスにつながります。柔らかな枕やぬいぐるみに顔を埋めるとホッとするのと似ていますね。
だから一石二鳥ではなく、「一石三鳥」なんです。
ちょっとした仕事の合間なら、自分の手だけでできます。時間が取れるなら、市販の温熱タイプのアイマスクを使うのもいいでしょう。
眉毛を「10秒」思い切り上げてみる
――ほかにも、仕事中に簡単にできるものはありますか。
伊勢屋 では、眉毛を思い切り上げて、同時に目だけで上を見てみてください。顔は正面のままです。
――けっこうきついですね。
伊勢屋 10秒です。終わったら2秒脱力する。それを3回繰り返します。
普段、パソコンやスマホを見ていると、目は手元を見るために下向きの状態が長くなります。逆方向にしっかり動かすことで、普段あまり使わない目の周囲やおでこの筋肉を動かせます。
もっと簡単に言えば、疲れた目に必要なのは、「さらに頑張って見ること」ではありません。
一度温める。一度暗くする。そして、普段とは違う方向へ動かしてみる。
たった1分でも、目を酷使し続ける状態から抜け出す時間をつくってほしいですね。






