10年国債金利「3%」到達、円安も続く
高市積極財政への市場の危惧
長期金利の指標である新発10年国債利回りが、9月1日、「3%」の大台に乗り、2日には一時、3.015%まで上昇、30年ぶりの高水準を更新した。日本国債の金利は6月30日に「骨太の方針2026」の原案が示されて以降、上昇が顕著になった。
約30年ぶりに3.0%に上昇した長期金利を示すモニター=9月1日午後 Photo:JIJI
10年国債利回りは、6月には2.6%台程度で推移していたが、骨太方針の原案の公表後に上昇し、7月9日には一時2.90%にまで上がり、20年債など超長期債の利回りも大幅に上昇した。しかも、政策金利の影響を比較的受けやすい短期債よりも上昇が顕著で、その結果、イールドカーブはスティープ化した。
同じ時期、市場の期待インフレ率は、長期金利の上昇に見合うほどには上昇していなかった。したがって、今回の長期金利上昇を期待インフレ率の変化で説明することは難しい。
この動きは、「高市内閣の積極財政が、将来の財政運営、インフレ、国債需給などに関する不確実性を高め、タームプレミアムを押し上げた」という仮説と整合的だ。将来の国債増発が意識された可能性がある。
もちろん、長期金利上昇の全てを骨太方針だけで説明することはできない。海外金利、原油価格、日本銀行の金融政策をめぐる予想など、他の要因も同時に動いていただろう。それでも、骨太方針の公表を契機に財政への警戒が強まったことは、否定できない。
この動きは「骨太ショック」と呼ばれ、政府は文案の修正に追われたが、その後も、10年国債利回りは上昇し続けている。同時に円ドル相場も日米の18年ぶりの協調介入にもかかわらず、円安基調が変わる気配は見えない。
これは、日本の長期金利や円相場が一時的な市場変動では片づけにくい領域にまで入り込んでるこを示唆している。
金利上昇と通貨安が同時に進む点では、22年にイギリスで起きた「トラスショック」と同じだ。しかしショックに対する政権の対応は、トラス首相が減税政策を撤回し、結局辞任し、市場の不安定化が落ち着いたイギリスとは、大きく違っている。







