このアクティブ・ノンアクションの一番危険なポイントは、本人たちが「頑張っているつもり」であるがゆえに、その事象が起こっていることに気づきにくいことです。

人は時間がある分だけ
仕事を増やしてしまう

 重要な観点なので、もう少し丁寧に把握してもらうために、次は「パーキンソンの法則」についても触れます。先ほどの「アクティブ・ノンアクション」より馴染みのある方も多いかもしれません。

パーキンソンの法則(Parkinson’s Law)
――仕事は、与えられた時間をすべて使い切るまで膨張する。

 たとえば、本当は30分で終わるはずの資料作成も、「3時間後に提出してください」という指示だった場合、設定された3時間を目一杯かけて作成してしまうという事象のことです。資料の内容はほぼ変わらないし、特にクオリティが上がっているわけでもないのに、3時間かけてしまうのです。

 人は意識しなければ、「ちょうど良い時間配分」ではなく、「使い切る時間配分」で動いてしまうということを伝える法則です。

 皆さんの中でも、「アジェンダ数が減ったのにもかかわらず、会議の時間は制限時間いっぱいフルフルにかかってしまった」という経験があるのではないでしょうか。

 また、これまで100の仕事を5人でやっていた部署(1人平均20)があって、その仕事量が80まで減ったと仮定します。80なら本来は4人で担当できるはず、もしくは1人あたり平均20%程度の時間が空くはずです。

 それなのに、いつの間にか勉強会をたくさん実施していたり、あまり緊急性のない資料作成のタスクが加わっていたり、将来のためのブレストという名の会議が増えていたりして、気づけば5人とも忙しくなっている。

 しばらくして、「そういえばあの5人のチームは、本来あと20の仕事量ができるはずだった」と思い出して、20の仕事量を任せようとしたら、いつの間にかタスクを自分たちで増やしているので、忙しくてその仕事は受けられないと言われる――。そんな状況は、どの企業の職場でも起こりがちではないでしょうか。