現代は既存のビジネススキルがにわかに陳腐化し、すぐに新たなスキル習得を求められる大激変期です。学び直しがブームとなる中、独学する力はもはや必須スキルになったといえます。特集『仕事に効く!独学バイブル』では『知的戦闘力を高める 独学の技法』と『新・独学術 外資系コンサルの世界で磨き抜いた合理的方法』という2冊の独学本を紹介します。#2は最もコスパが高い「参考書を使い倒す」独学の技法。仕事にも効く!独学するビジネスパーソンにとってのバイブルになること請け合いです。(ダイヤモンド編集部編集長 山口圭介)
塾に通ったことがなく
参考書が先生代わり
私は子供の頃、塾や予備校に通ったことがありませんでした。さらに言えば、家庭の方針で幼稚園にも保育園にも通わず、一日中、外で遊び回っていました。
「勉強するかしないかは自分で決めなさい。ただし、勉強しないと将来の可能性は狭くなるから、よく考えて」。無知な小学生だった私にそう言い放つほど、両親は超の付く放任主義でした。よくグレずに育ったなと我ながら思います。
そんな風変わりな家庭で育ったため、独学はお手の物。参考書が先生代わりでした。
実は、大人になってもそれは変わっていません。あるテーマについて取材する際は、関連する参考書から読み始めることが少なくありません。というのも、参考書には知っておくべきことが一通りコンパクトにまとまっていて、要点を素早く吸収するのに非常に便利だからです。
『新・独学術 外資系コンサルの世界で磨き抜いた合理的方法』の著者で、マッキンゼーなどを渡り歩いた侍留啓介氏は、「参考書以上に効率的なテキストはない」と断言しています。
侍留氏は経済学を引き合いに出します。標準的な教科書の『マンキュー経済学』は2巻で約1500ページ。これをいきなり読み始めるのは大変だけれど、大学受験用の参考書『政治・経済 標準問題精講』は経済分野のわずか40題をこなすだけで、経済史もミクロ経済学も全体像を俯瞰できると太鼓判を押します。
さらに「大学受験のやり直し学習は、全科目の教材をそろえたとしても数万円」(侍留氏)。コストパフォーマンスも抜群です。
『新・独学術 外資系コンサルの世界で磨き抜いた合理的方法』の本文では、時間効率の高い方法で知識と論理を学ぶ独学の技法を具体的に公開しています。他にも、「日経新聞を正確に読む基礎知識」「国際社会の教養としての宗教」「他人の意見に流されないニュース読解力」などについても学ぶことができます。
『新・独学術 外資系コンサルの世界で磨き抜いた合理的方法』の第1章はこちら