エマ・ガオ氏(50)が2007年、中国西北部に位置する寧夏回族自治区の砂嵐吹き荒れる丘陵地でカベルネ・ソーヴィニヨンを栽培するというとっぴな決断を下したとき、自身のワインを外国の有名レストランに販売することなど、ほとんど考えていなかった。今では、彼女が造るピノ・ノワールやカベルネ、シャルドネは、米ニューヨークのミシュラン星付きレストラン「グラマシー・タバーン」や伊ミラノの高級広東料理店「バ」、英ロンドン中心部の高級インド料理店「ザ・シナモン・クラブ」などで提供されるようになった。世界のソムリエたちが仏ボルドーや伊バローロのワインに飽きた飲み手を新たな体験で魅了しようと試みる中、フランスで修業を積んだガオ氏は中国ワインの国外展開を後押ししている。中国ワインの輸出高は今年上半期に7500万ドル(約120億円)に達し、昨年同期の3倍を記録した。「ワインの世界は非常に開かれていて、新しいテロワール(ブドウ畑を取り巻く気候や土壌)、新しい哲学に対して好奇心を持っていると思う」と同氏は話す。